ツイン・ピークスにはアイコンがいっぱいある。全部じゃないけどリストアップしてみた

ツイン・ピークス ザ・テレビジョン・コレクション
ツイン・ピークス ザ・テレビジョン・コレクション

ツイン・ピークス ザ・テレビジョン・コレクション

1990年代初頭に放映されドラマ好き達を熱狂させたツイン・ピークスに続編が出た。2017年のことだ。「25年後」を描いたというそれを知った時は息が止まりかけた。25年後を描き、しかも役者達もほぼ全員そのまま出演しているというのだから。と、いうことは、クーパー(カイル・マクラクラン)にしろローラ(シェリル・リー)にしろ、オードリー・ホーンにしろ、みんな25才も年食った、ということだ。

むろん年齢なんか関係ない。自分だって25才年取った、ということなのも分かっている。それでも見るのがコワい。なにせ、若き日の彼、彼女らはまぶしくも妖しく美しすぎた。

それでもどうしてもみたい気持を抑えられず、NetFlixでいつまで待っても放映してくれないのでDVDを買った次第だ。

以来、何度繰り返しみていることか。

コーヒーを飲むときにクーパーを思い出し、パンをかじる時にドーナツを思い出し、苺ジャムを塗るときにチェリーパイを思い出し、そのつど再生ボタンをポチ。

☆ ★ ☆ ★

感想も書きたい。
が、胸がいっぱいすぎてむずかしい。なのでここでは、『ツイン・ピークス』のコアである家庭内暴力、性暴力、暴力一般を直視させてくれる柔らかいクッション材の、アイコンたちについて見てみたい。

 

へんな記号


とくに2017年版(リミテッド・イベント・シリーズ)では何度も出てきた記号。ツイン・ピークス(地名)の洞窟で発見されたのが最初だった気がするが、はっきりとした意味や由来は当方、把握できていない。(誰も把握できないタイプの描かれ方もしれない)

わたしはこれが出てくるたび「マカロニほうれん荘」のトシちゃん(膝方歳三)を思い出しては、「違う違う」と焦る瞬間が0.5秒くらいあったりするww

赤いカーテンとジグザグ模様の床

アイコンというにはサイズがデカいがドラマ中一番リフレインされ(特に床の方)観客の頭に刷り込まれた。
わたしは『あつまれ動物の森』でこの組み合わせのインテリをやってみたが、目がチカチカしてノイローゼになりそうだったのでやめた、というアホないきさつあり。

もともと赤いカーテンは、悪の連中のアジトであり、ローラ・パーマーが殺されたロッジにかかっていたカーテン。
その後、ドラマ中では赤いカーテンはジグザグ模様のフロアーとセットでたびたび現れては、あの世とこの世の境目のような場所というか、つながるはずのない地点と地点を結ぶステーションのような役割を果たした。

ところでこのジグザグ模様、自分で描いてて気付いたんだが、アルファベットWの連続体だ。

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自分で気付いて自分で驚いた。

というのも、ツイン・ピークスにおいては、2つで1組のダブルが大きな意味と存在感を持っているのだ。
まず、ふたつ並んだ山があるからついた「ツイン・ピークス」という地名(であり題名)からしてそうだ。
主役にして主題であるところのローラも、双子である。
リミテッド・イベント・シリーズでいえば、クーパー捜査官も〝悪いクーパー〟と〝良いクーパー〟の二人になってしまうほどだ。
それっくらい2つでひと組(W)にこだわっているわけだが、その仕込みが床の模様にまであったことにビックリしたww

コーヒー

『ツイン・ピークス』といえばクーパー、クーパーといえばコーヒー(とドーナッツ)と言っていいくらい登場回数ヒンヒンカイカイの、(良い)クーパーの大好物。
緊張した場面が続いても、コーヒーが出てくるとこっちもホッと一安心してしまう。

軽食レストランの「ダブルRダイナー」のマーク

軽食レストランの「ダブルRダイナー」はツイン・ピークスで一番平和な場所。
経営するのはノーマというとびっきりの美人。ノーマも25年後、「容姿の衰え」なんていうバカな言い訳はしないでちゃんと出てきて、しかも!!!
まさかの!!! 念願の!!!! ○○!!!!(ネタバレなので伏しますが、だいたいわかるはず) おめでとーー!!!
めでたすぎて長年の視聴者はたぶん号泣したと思う。

ドーナッツ

ドーナッツはコーヒーに次ぐ大事な食べ物アイコン。
これ見てると、糖質だのカロリーだのどうでもよくなって、腹一杯ドーナッツ食べたくなる。

チェリーパイ

「ダブルRダイナー」の名物「チェリーパイ」を最初に一口食べたときのクーパーの顔が忘れられない。
どんだけ美味しさ表現上手なんだ、孤独のグルメかって!
「チェリーパイ」はドーナッツほどいつでも買ってこれるものではないとはいえ、その割には登場回数が多い。

で、今書いてて気付いたんだけど、
チェリーパイのチェリーも、ま・さ・か・のダブル・・・・!!

そこまでやるかww

ベイマツ

ツインピークスはこわいほど自然に囲まれた町。中でもベイマツはもっとも象徴的になんどもでてきて雰囲気盛り上げていた。
クーパーがツイン・ピークスに来て最初に口にした質問が、「この木は何という木ですか?」だった。
それくらい目立っていたのがベイマツ。

質問された相手は、のちに大事な相棒となる警察官のハリーだ。
ベイマツに花言葉ならぬ木言葉があるなら、「不穏」「悪い予感」「ざわつき」「死期」「あの世への招待」かもしれない。

音のアイコン

とくにリミテッド・イベント・シリーズで常にリフレインされたのが、音のアイコンともいえる、不気味な音。
どう表現したものか。
虫の羽音のような鳴き声のような機械がわざときしんでいるような。

フレーズのアイコン

Fire walk with me

Fire walk with me

Fire walk with me

Fire walk with me

Fire walk with me

こちらもアイコンといっていいくらい、何度もでてくる。
意味なんかわからないけれど、
今思えば、この25年間は、Fire walk with me だったのかもしれない。

娯楽作品とはいえ、あまりにもつらいテーマだから、Fire walk with meと言い聞かせた25年間だったのかもしれない。

(誰にとって? デヴィッド・リンチにとって?)