F子にGO!GO!7188を借りた
(そこまで詳しく書いたわけではないが、そうだったのである)
F子がGO!GO!7188を知っているかどうかが心配で、もし知らなかったらどう説明しようか、なんて考えていて、後で訂正することにはなるけど、椎名林檎に声や雰囲気が似ているから、みたいに言おうと思っていた。
そしたら、F子はGO!GO!7188を知っていて、「あ、知ってる知ってる! GO!GO!7188好き! いいっすよねー『こいのうた』いいっすよねー!」 と、わたしが渡したビデオテープを手にぴょんぴょん跳ねて喜んだ。
説明という行為全般が苦手なわたしは、手間が省けたので助かった。それに、「こいつ気が合うじゃん」と思って喜んだ。向こうもそう思ったらしく、なぜか握手したりした。
その頃すでにわたしの頭の中では「青い稲妻」が繰り返しリピートされていた。
それくらい、耳について離れない旋律と声なのである。
GO!GO!7188の音楽については、すべての関連サイトを見て回ったわけではないものの、「椎名林檎にも似ていて」「昭和歌謡にも通じていて」「でもどちらとも違って」「ライブが真骨頂」などと書いてあって、わたしも最初は椎名林檎に似ているなと思った。
しかし、よく聴くとかなり違うことが分かった。椎名林檎の歌う男女関係とかなり違うし、椎名林檎ほど…的な感じがしない。(…部分思いつかず)
F子はGO!GO!7188の「こいのうた」がものすごく気に入っているらしく、「あたし、CD持ってるよ」と言って、翌日には、ファーストアルバムである『蛇足歩行』と、シングルの「瑠璃色」を貸してくれた。
『蛇足歩行』と「瑠璃色」を家に持って帰ると、驚いたことに、高校生の達也がGO!GO!7188のサードアルバムである『鬣』(たてがみ)をレンタルショップからレンタルしていて 「え? おれも借りてきてあるよ」なんて言う。えー? 奇遇じゃん? それに達也が女のバンドとか女の歌い手のCDを聴くなんてかなり珍しい。
そういう成り行きがあって、10月に四枚目のアルバムが出ることになっているGO!GO!7188であるけれど、一枚目と三枚目を聴く機会を得た。
よかった。
ことに、『蛇足歩行』の9曲目「ロック」の最後の方、「ドキドキしたいよ 恋がしたいよ たくさん食べたい つまんないないを抜け出したい」には、脳天から尾てい骨にかけて一気に電流が走った。聴いていない今でも思い出すと興奮してくるくらい。
三枚目の『鬣』においてユウのボーカルはますます磨きがかかり、小鳥のような可愛さから、どろどろした憎悪や嫉妬にいたるまで、12音階の1音階の100分の1単位でフルフルと精緻に表現し尽くして、自由すぎる楽器のよう。
と、なんだか中島優美(Vo&G&作曲)の方ばっか褒めてしまったが、浜田亜紀子(B&作詞)のオフィシャルサイトへ行ってみたら、「とにかく今すぐ唄がうたいたい」という衝動だけでソロアルバムを作った背景について綴っていた。
「こいのうた」はもちろんのこと、ホンモノの歌を書ける人だから、その分引き受けているものがたくさんあるのだろう。
★四枚目『竜舌蘭』(りゅうぜつらん)
1. 赤い月に吠える夜 2. 青い亀裂 3. バイオレットの空 4. 二つの足音 5. 千日紅 6. くのいち 7. タクシー 8. 東京 9. うみのうま 10. 初秋 11. 考え事 12.大人のひみつ