ROENTGEN STORIES
曲目
1. Evergreen
2. Angel’s Tale
3. Shallow Sleep
4. Secret Letters
発売日:2004年11月3日 価格 ¥2174
Director: 1&2 SUGURU TAKEUCHI , 3&4 KEN NIKAI
words & story:HYDE
ASIN:B0002T22LO
初ソロアルバム『ROENTGEN』をリリースしたのが、2002年3月27日。
約2年後である先頃、自身が出演した映画『下弦の月』においてそのうちの一曲である「THE CAPE OF STORMS」が使われ、同時期に英語バージョンの発売。
と思ったら、さらにさらに、こうやって同アルバムを素材にしたDVDまで発売しちゃうのだから、なんというリサイクル精神!? とことん一個のコンテンツを使い倒して、セーターをほどいては編み直す昔のおばあちゃんみたい。
っていうか、これは冗談ではなく。
かく言うわたしも、『ROENTGEN』自体は一時期よく聴いていて、「へー、ソロになるとこうなるのか、へー、ほー、フー」とすっかり聴き惚れたものだけど、何について歌っているのか謎のまま、だんだん聴かなくなってしまった。
それがここへいたって「アンネの日記」などというキーワードが出てきたのである。
(もっとも、それは当初から出ているようではあるが)
DVDの説明書きによれば、4曲目は「アンネの日記」のアンネがナチスに連行されていくまでを描いているという。ということは、4曲目の「Secret Letters」ばかりでなく、アルバム全体が「アンネの日記」に創作のヒントを得ているのかもしれない。
『ray』もそうだけれど、この方は人類七大悲劇みたいな、人類罪業史みたいなものの側に、どこまでも寄り添っていたいのか。実際、「アンネの日記」なんて思いだしたの何十年ぶりだろ?>自分
そう考えると、本作の最後で歌われる「I remember , remember you」に伴うイメージも、ひときわ鮮明になってくる…。
1. Evergreenと2. Angel’s Taleはスッピンで歌われていて、顔アップからしだいにロングへ。二回繰り返すような瞬きの仕方や、音程に気を取られているのか、時々上がりがちになる黒目とか、息継ぎする時の喉元とか、表情のすべてが飾り気のない無防備さで、胸打たれる。
こんなキレイなおにいさんなのに、今自分の隣に居て話しかけてくれるような、近さがあるのだ。
3. Shallow Sleepと4. Secret Lettersはきちんとメイクして、地上最強の美しさ。ふつー棺桶で歌歌ってたら笑えてしまいそうだけど、ちっとも可笑しくないぞ。
あと空に昇って行った黒い風船が、映像的にハッとした。
参考: