日本にキャッシュレス社会はやってくるか?
消費税を8%から10%に増やした、そのドサクサに紛れてキャッシュレス化を進めたいらしき日本政府です。
その目的は何なのか? ビデオニュースドットコムを見たところ、「現金取り扱い業務のコスト削減」「訪日外国人に対応」「個人資産管理(PFM)サービスの普及」「新しいビジネスモデルの可能性」「収税の効率化と公平性の確保」と、あるようです。
わたしに言わせれば「家計管理を混乱させる作戦」ですね。クレジットカードとは翌月以降に引き落とされる借金。いわばソラに浮かんだ架空の財布。財布の現金数えて家計を守っている人にとって、あり得ない財布です。(⇒わたしはもう架空の財布でやっているのですが)
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消費税増税初日のスーパーにて。
レジの人が「カードですか、現金ですか?」と聞いてきたので
「なんでそんな事聞くんですか? カードですよ」
「カードだと3パーセント得です」
と言うではないですか。いったい全体、この先「カードですか、現金ですか?」と聞き続けなきゃならないレジ労働者の身にもなってくださいと思いました。
それはともかく、3パーセント得と聞いて、思わず「あ、そうなんだー」とホクホク顔になったのは告白します。
本当に情けないです。わたくし消費税増税には断固反対だというのに。ポイント還元とか、そういう姑息な手に丸め込まれてしまって。納得のいかない軽減税率の仕組みなんかも、誤魔化されたままで。
しかし、それにも関わらず、スーパーでチラチラ見ていても、現金で払っている人は多いです。
今、あわててカード契約をしているところなんでしょうか。いえ、クレジットカード自体の普及率は90%あります。調べました。
3パーセントも得するのに使っていない人が多いのです。
政府の姑息な手に騙されない人たちなのでしょうか。その割には投票率低いですが‥‥
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キャッシュレスにはいろいろな方法があるそうです。
- クレジットカード(翌月以降の返済)
- デビッドカード(銀行にある金額からその場で引き落とされる)
- Suicaなど、あらかじめチャージしておくカード
- paypayなど、クレジットカードとひもづけておいて、店頭で読み込むもの
将来的には、これに「マイナンバーカード」が合体する可能性もあり、一番恐ろしいのは、そこらへんで、すべてが管理されていく社会になること、と言えるでしょう。ハロービッグブラザーって感じで。
それでももはや、現金を使う気がしないのはなぜなのでしょうか。わたしの場合一番の理由は「目の前の現金が減る姿を見たくない」です。
減る姿を見ると、心もすり減ります。
他の方がどう思っているか解りませんが、一番はこれです。
しかし、いずれ払わないといけないお金ではないか? とも思うのです。わたしはここらの心理の分析を試みました。
仮に3年だけ生きる「金子満子」さんという生き物がいたとします。
彼女は、月に1万円稼ぎます。
年間12万円。3年で36万円です。
なので、彼女が生涯に使えるお金は36万円だけです。
1万円というは、彼女の国でギリギリで暮らせる額なので、衣食住の基本的なことにしかお金を使えません。
けれど、それでも切り詰めて毎月1000円を貯金したとします。
死ぬ直前に36000円をぱーっと使いたいと思ったからです。
2年目、24000円貯まりました。
ここに目を付けて来た者がいます。
「貸してくれ」と言う者や、セールスしてくる者、(24000円の有意義な使い方や増やし方を)教える者です。
死ぬ直前に36000円をぱーっと使いたい という夢が揺れ始めます。下手をすると食い物にされます。
下手をすると食い物ですが、うまくすると、うまいことになります。
一方、同じく3年だけ生きる「余裕子」(あまりゆうこ)さんの場合、
月に1万稼ぎ、1万を使います。
彼女も衣食住の基本的なことにしかお金を使いません。
貯金がないので、誰も声をかけてきません。
のはずですが、それでも「貸してくれ」と言う者や、セールスしてくる者、教える者は現れます。
「余裕子」さんも、頑張れば1000円くらいの余剰はひねり出せる「はず」だからです。
これをもって「信用」といい、クレジットカードなる板がもらえます。
「金子満子」さんにいたっては、「信用」度はもっと高いので、キラキラした板がもらえます。
「乱高志」さんもいます。彼も3年生きます。
「乱高志」さんは、ある月は1万円、ある月は5万円、ある月は収入ゼロの生き物です。
トータル36万円なのは同じです。
ある年、収入ゼロが2ヶ月続いたために、借金をしました。
その返済が遅れました。
そのため、「信用」を得られず、板がもらえません。
せっかく3年目に2ヶ月連続3万円の収入があったのに。
その時はファミレスで腹いっぱい食べて、モテにモテて(当人比)大人気で、嬉しかったです。
板を10枚もらうよりも、ずっと楽しかったです。
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かように想像をめぐらしてみると、「3年しか生きない、36万の収入がある」と決まっていたとしても不確定要素はあり、ゆらぎが発生すること。しかも「金子満子」さん、うまくタイミングをつかまないと、死ぬまでに36000円使えない可能性もあります。
まして、リアルの人間は何年生きるかわかりません。
収入も不変なのか、増額なのか、減額なのか?
おそらく、うちの場合はこの数年は不変です。
けれど、「増えるのじゃないか?」 という希望、そして実質も必要だと思いました。
「信用」は、言葉を換えれば「搾り取り対象認定」だからです。
以上、クレジットカードを使う自分を納得させる童話でした。
(支払日を遠くにすると利子が発生し、またややこしくなるので、あくまで無利子の翌月払いの話です。)