対テロ新法案 民主、参院に対案提出

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民主党、新テロ対策法で「継続審議」戦術 
12月21日23時15分配信 産経新聞
 民主党は21日、政府の新テロ対策特別措置法案への対案となる「国際テロリズム防止と根絶のためのアフガニスタン復興支援特措法案」を参院に提出した。共産、社民両党は自衛隊派遣を含む民主党案に批判的で、民主党は自らの対案も政府案も採決せず、継続審議にするよう求める見通し。だが、与党は1月11日までに参院で採決されなければ、憲法の「みなし否決」条項で、衆院で再議決して新テロ特措法案を成立させる方針だ。
 民主党の鉢呂吉雄「次の内閣」外務担当は提出後の記者会見で「来年1月15日の会期末までに十分審議できなければ継続審議にして、通常国会で双方の法案を審議すべきだ」と述べた。また、小沢一郎代表は21日夕、記者団に「国連の活動の枠内で可能な限り国際貢献をやる原則だ。米軍へ給油する政府の法案と、民生支援の民主党の考え方が俎上(そじよう)に載った。国民には分かりやすくなった」と語った。
 民主党案は、人道復興支援と治安改革のため、自衛隊や文民をアフガン本土へ派遣し、武装解除や医療、物資輸送、インフラ整備などに従事させる。武装集団が抗争停止を合意している地域か現地住民に被害が生じない(安全な)地域で活動を実施。自衛隊部隊には活動への抵抗を抑止するための武器使用を初めて認める。
 民主党が対案提出に踏み切ったのは「対案を出せず、政権担当能力がない」との与党からの批判をかわす狙いがある。さらに、参院で継続審議を決めれば、与党の衆院での再議決を「強行採決だ」と批判でき、「急落した内閣支持率をさらに下げ、解散・総選挙に追い込む」(民主党幹部)思惑もある。
 一方、福田康夫首相は21日夜、民主党の対案について「拝見したが、分からない。内容をよくお伺いしないといけないと思う。何を一体やるのか。何ができるのか。よくお尋ねしたい」と述べた。

 民主党は二十一日、政府の新テロ対策特別措置法案の対案となる「アフガニスタン復興支援特別措置法案」を参院に提出した。今国会中は提出を見送る方針だったが、会期が来年一月十五日まで再延長されたことを受けて方針転換した。
 対案は一年間の時限立法で、民生支援のために自衛隊や民間人をアフガンに派遣し、武装解除や医療、物資の輸送などに従事させるのが柱。派遣先は紛争停止に合意した地域に限定し、小沢一郎代表が提唱した国際治安支援部隊(ISAF)本隊には参加しない。
 政府が早期の再開を目指す海上での給油活動をめぐっては、国連決議を条件に「必要な法整備の要否も含めて検討する」と明記。自衛隊の海外派遣を可能にする恒久法整備の必要性も指摘している。