KISS / L’Arc-en-Ciel
- アーティスト: L’Arc~en~Ciel
- 出版社/メーカー: KRE(SME)(M)
- 発売日: 2007/11/21
- メディア: CD
- 購入: 5人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (165件) を見る
2. Pretty girl (3:17)
『KISS』は全体的にグッと大人っぽくなったアルバム。それは若さがなくなったという意味ではなく、子供ではなくなったという意味合いで。この曲も見事にそう。といってもさほど奔放ではなく、「いつもそこまで」な恋愛状況を切れ味のいいドラム音と軽快なリズムにのせている。しかもボーカルはやたらと力強い。
3. MY HEART DRAWS A DREAM (4:16)
力強さから柔らかさ&しなやかさに変化。すでにレビュウは書いているため、書きずみのものはあまり聴く気がしないことが多いのだけど、やはり聴いてしまう。
4. 砂時計 (4:35)
前作『AWAKE』では歌詞を書かず何も語らなかったtetsu氏が久々に登場。tetsuさんは発売日の数日前に婚約発表をしているから、売上への影響をどう考えたのだろうか? なんとも面白い(or誠実な?)行動をとる方だと思う。この歌詞もよく見ると婚約からみかと思わせつつ、幸せトーンよりもネガティブな側面を捉えていて、tetsu節の健在を伝えている。なかなか真意をつかませない難しい歌詞なので解釈は控えるが、それでも、とてもいいメロディ。このアルバムのtetsuは非常に冴えている。すばらしい曲だと思った。
また、一単語をその中でいくらでも伸ばせる日本語の特質をいかし「たーいせーつなーひとをーまーもるーためにーちがうだーれかきずーつけーてる」「かーみのさーばーきまでこーたえはてのひーらに」「さーいしょかーらーわーーかっていーた」と音程が揺れるように上下する歌い方はとても日本語的でいいなぁと思った。もともと57577の和歌も、ながーく伸ばし伸ばし大きな声に出し詠(歌)っていたと小説の中で読んだことがある。それに対する返歌も含め、山の中に大きくこだまし、響いたという。
5. spiral (4:01)
「淫らに舞え」という命令形にも心惹かれつつ、男らしくかっこよい曲なので何も考えず聴いている。
6. ALONE EN LA VIDA (5:12)
よすぎる…悶絶
7. DAYBREAK’S BELL (4:11)
アルバムのこの場所で鳴り出すと、とてもとても地味で真面目な曲に感じる。絶妙の配置。
8.海辺(4:33)
彼らの歌に昔から時々出てくる「海」というロケーションは、水着の彼女をくどく場所ではなく、夏の日の君に恋する場所でもなく、第一に夏の海でもない。ではどんな海だっけ? ということを確認しようと思ったものの、歌詞をデータベース化していないので検索できなった。記憶に新しい海だと、やはり「永遠」の中の「波がよせてはかえすこの足下」だ。
しかしそれにしても、またまたいい曲なのだ。「君の声に気づきもせず季節は過ぎ去り」で曲調が変わるところ、「君は嬉しそうにはしゃぎ海辺にとけあい」でまた上がるところ、「僕をなやまーす」の声の枯れ方。早くなったりゆっくりになったり緩急の付け方が自由自在で、歌詞だけ見ると感傷的に思えるが、全体としてはとても心にしみる曲。
9.The Black Rose(3:38)
一体どういう由来の曲なのか知りたくインタビュー記事をあさったが、今だ未確認だ。当初ブラックダリアと勘違いしたためデパルマのファンだったのか、と得心したのだが、よく見たらThe Black Roseだった。トランペット?のような管楽器が中心的に入って、過去にもこういうのやっていた気はするが、さらにグレードアップしている。
10.Link -Kiss Mix-(4:46)
シングルで聴いた時は凡庸に感じたのに、アルバムのここに入っているとやけに良く感じるのだから不思議である。何かアレンジする人とか変わったのであろうか? ものすごく楽しく、いとしさが込み上げる曲になっている。
11.雪の足跡(4:47)
「ALONE EN LA VIDA」「海辺」と、愛の終わりや別れを感じさせる曲があった。曲の雰囲気はそれらに少し似ているが、こちらは場面を「終わり」に限定しない、広い意味のラブソングである。新奇なものはまるで狙わず、素直に恋愛関係や信頼関係を歌っている歌。このあと「Hurry Xmas」がくるのであるが、「Hurry Xmas」が公式の華やかなクリスマスソングだとしたら、こちらはクリスマスは出さず、冬自体の聖性と重ね合わせた愛の歌であろうか。とても見事な曲であるから、力を入れなくても充分に映えるだろうけれど、ここでは、あくまでも命が燃えさかっている。過剰といわれようが大げさといわれようが、100%以上の力が全開で、アレンジでもメロディでも歌詞でもなく、ただただ命そのものを見せてくれるのである。そうかと思うと、その激しさに、柔らかいコーラスがふんわり雪のようにかぶさるのだから、もう余裕かましているというか。やられた。
12.Hurry Xmas(4:49)
シングルできいた時は「クリスマスソングというガラだっけ?」と若干唐突に感じたが、またまたこの場所にピタリと収まっていてびっくり。
1.Seventh Heaven(5:01)
どうしてもクリスマスソングよりこっちのが性に合うのでこっちをラストにする。
歌い方としては他のよりは好きではないのだが、こういう奇妙なことを言い出すところがよいのである。
何を考えているんだろう? と考えると楽しい。