NEXUS 4 / SHINE

2008年8月27日リリースの35thシングル


 今年の5月、「この先3年間はライヴ活動を休止」するとの大々的な報(なにせ新聞広告になっていたのだから)を見た時は、ええー??まだ一度もライブ行っていないのにぃぃぃぃと落ち込んだ。今もそれは続き物悲しい気持ちでいる。ライブというのは文字通り「ナマ」が見れる・聴ける場所と時間で、それを体験できるチャンスがあるならどんどん行くべき時空間。それは分っていたのだが、いかんせんトシを考えるとやっぱ行きたくなかった。このことを同年代の友人に話すと、彼女は長年のGLAYファンなのであるが、「そんなこと気にしないでいいよー、わたしらくらいの世代、大勢来ているよ!!」と励ましてくれて、そっかーそういうもんか、と一時安心したのであるが、彼女はバリバリのファンだから「ファンクラブ」にも長年入っているので、比較的良い席が取れるようだ。ただ、毎回良い席が取れるわけではなくファンクラブに入っていても当たり外れはあるとのことだった。そこへ行くとわたしはファンクラブに入ってないから席もうーーんと後ろの方だろうし、皆と同一的な行動(立って手を振る、など)も苦手だしなーと思っていたわけだけど、そんなのは瑣末なことだったと、こういう事態になるとつくづく思い、何か取り返しのつかないアヤマチを犯したような気がしてくる。ただ、わたしのようなファンもそんなに少ないわけではないだろう、とは思うのだ。CDなりなんなりで聴くだけでそれなり満足な人も。
 しかしCDってやつは「デジタル録音」された物で、デジタルってやつはいくらでも切り張りが出来たり、加工が出来たりするため、良いところだけを寄せ集めることが出来るらしい。いや、よく知らないが、デジタルとはそういう物だ。それを言えば映像なども現在はフォトショップを使用したデジタルであるから、いくらでも加工したり美麗にすることができる。太っちょさんをスレンダーに、皺皺の老け顔をツルツルのゆで卵肌に、鼻毛がはみ出していたらササと消せるし、禿げは多毛に、ワキガは無臭に。(←ってこれはナイ) つまり、メディアという媒介物を通して見たり聴いたりしたものは、いづれにせよかなり怪しい要素が近年ますます強まっている、という事だ。これでは一体何を信じたらいいのか?? そう、まさに「NEXUS 4」の歌詞の通り「確かな物などどこにもない」のだ。だからこそ彼らがライブを沢山行うことは、一番真実に近づいてもらう方法であり、同時に好きでなくちゃやれないことであり、デジタル録音「以上」のものを見せるチャンスであり、つまり総合的に一番大事なこと。それで今年は、とうとう香港や台湾やソウル上海といった、過去にも行ったアジアツアーに加えてパリも公演先に加わった。真実が何かを彼らはいつも追及している、その証しだろうと思う。
 「休止宣言」と時期を同じくしてhydeがVAMPSなるユニットを組んだとの報も入った。今までもソロ活動なら幾たびも行っていたが、今回はユニットだ。ソロならいつでも本体に戻ってこれる感じがあるが、誰かと新たにコンビを組む、つまり特別な「関係をもつ」というのは、何かもっと本格的にL’から離れた印象で、言ってみれば離婚してその人と再婚した、くらいに思えた。と考えるとなるほどリーダーのてっさんも結婚したことだし、きっとてっさんが可愛いお嫁さんと一緒になったのを見届けてhydeさんも心置きなくK.A.Zさんと一緒になったのだワネェ…
 …というホノボノした事情かどうかはともかく、PATiPATi8月号のVAMPSインタビューを見ると、一年後の予測として「アルバムを作ってまた(VAMPSで)ツアーを回っているでしょう」というのだから、今期限りの衝動的なものではなく、長期的にVAMPSをやる気でいるのが分るのである。ちなみにわたしもVAMPSのデビューシングル「LOVE ADDICT」のレビュウは書いてアップしたものの、しばらくして気恥かしくなったので削除した。それに、VAMPSの歌詞(ハイタン作)は罪つくりなところがあって「何がくだらないのか教えて欲しい!!」と思わせるものだった!! そんなこんなで「NEXUS 4 / SHINE」を買うことを数日間躊躇していた……
がやはり聴きたいので、あらかじめさまざまなファンブログを見て、レビュウをチェック。
すると比較的辛口なものもあるし、絶賛しているものもある。
また「NEXUS 4」の歌詞世界が、SF映画の殿堂入り名作『ブレードランナー』のイメージを多分に盛り込んでいるのも分った。トータルには、おおむね好感をもたれ、今までに劣らない愛情を喚起させているのも確認した。これほどの悪条件?が重なっているにも関わらず!!
と、いうことでやはり買った。
「SHINE」はNHKアニメ『精霊の守り人』のOPということで同アニメは「2007年4月7日 – 9月29日に放送」されている。
MSNミュージックのインタビューによると「オケ」は『AWAKE』(2005年6月22日リリース)の頃。
歌詞を作り歌を吹き込んだのが2007年4月のやや前、あたりだろうか。
「NEXUS 4」は同インタビューによると『KISS』(2007年11月21日)を作っていた頃。「砂時計」とのバランスで作ったと作曲者は語る。『KISS』収録「砂時計」がHAPPYな感じがしなかった分、こちらは底抜けに前向きで明るくなった、ということだろうか。ちなみに「NEXUS」の意味を絆ととらえたインタビューアー氏であるけれど、ネットで見るとブレランに登場する4人のレプリカントが「ネクサス6型」で、「ネクサス6型」は「体力、敏捷性に優れ、知性も人間に匹敵するアンドロイド」という設定。と、いうことは、「NEXUS 4」は「ネクサス6型」に及ばない下の型番のロボット?? とも考えられ、そう思うとそれはそれでなんか面白い。むろん「絆」とのひっかけも否定できないながら、人間に匹敵するロボットに今一歩及ばないロボット、それがすなわちワレワレなのかもしれない。ロボット的なるものへの肯定感否定感とりまぜた感覚が喚起されるあたり、「ネクサス4型」の意と考えるのが魅力。
どちらの曲も目が眩む明るさ100000ワット。であるから、疲れた心を癒すようなタイプではまったくなく、元気バリバリな人間が聴くにふさわしい出来上がりだ。あと考えられるのは、結婚の祝祭曲。さあ、これから初夜だ!!という時にいいかも。
こんなに明るい曲を作るのだから、ジャニーズに楽曲提供すれば儲かるのになんて思った時もあるけど、さすがにここまでだと到底ムリだと思う。確かめるために、同日発売のkinkiの「シークレットコード」を買って聴いたけど(買ったところがエライ)、明るい、というのとも違っていた。kinkiを聴いて、いかにL’が布教的に聴こえるかと気づいて、今さらだけど驚いた。
ということで、hydelessバージョンも分厚く聴き応えのある一作。
歌詞も今までテーマにしてきた内容を一回り進化させた内容で、どこにも真実のない世界で一体どうするべきかと、「君」のために答えを出した。