保育制度改革って、ゼッタイ必要(自分の経験から)

今年8月に書いた<もっと花を!【貧困をなくすためには】>の続き。
読んだ論文は「財源不足下でも待機児童解消と弱者支援が両立可能な保育制度改革~制度設計とマイクロ・シミュレーション」(一橋大学経済研究所DP No.459、単著)
書いた人は『「潜在待機児童八十万人」を解消するために 』の鈴木氏。氏は、『年金は本当にもらえるのか? (ちくま新書)』の著者でもあり、わたしは未読だけど、404 Blog Not Foundでも高評価の本。
年金の件は今はおいておくとして、保育所の論文の方、『「潜在待機児童八十万人」を解消するために』に書いてあった「保育利権の闇」については触れていなかったので、ちょっとガックリした。
難しい論文なので、理解しきったとは到底いえないけどとりあえずわたしがまとめると…
需要と供給の関係の中で、需要側に課せられていた「保育に欠ける要件」を撤廃した、という成果はひとつあった。というのも、「保育に欠ける要件」があるがゆえに、非正規雇用やパート、母子家庭の親が、子を保育所に通わす要件を満たさない、とされがちだったというのだから、どこまで無茶くちゃなんだろうか?
一方、供給側に関しての進展はほとんどないようだ。
そのため氏は、保育所に関して自由市場的な方法を取り入れていきましょう…と、提案している。
まぁなんとなくそれしかないような気はする。
実際、すでに東京はもうその方法を始めているようなことが書いてあった(読み間違いでなければ)。
そういえばわたしの同僚に聞いた話だと、以前なら「看護師」はとても有利で、それだけで優先的に保育所に入れてもらえたのが(他に有利な職種は先生)、最近「ポイント制」になったとのことで、看護師というだけでは入れられなくなったそうな…。
確かに、今の保育所のシステムは、たまたま子を入園させることのできた世帯のみやたらと得をして、そのほかの世帯は、高額のうえにサービスも悪い民間の無認可保育所を利用せねばならず、ものすごい不公平が発生しているという。
全体に、供給側については現段階でははかばかしい変化はないようだ。
しかし、今厚労省のホームページに行って
乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)
という企画というか、アイデアというかを見たけど、最後に
>3.実施主体
>市町村(特別区を含む。)
って、市町村にやらせるくせして、発案は自分たちって…
なんかむっしょーに腹立たしいんだけど?
それはともかく、そんなで2018年までに、待機児童100万人の受け入れを実施できるかどうか…ちゅうあたりを目標にしている模様ではあるが…

関連して→
長妻厚労相更迭が突きつけるリアリティー 鈴木亘 2010年10月07日
わたしも途中まではいっしょーーけんめい応援していた長妻さんだけど、刃折れ策尽きて前のめりに倒れてしまった模様だ。まさか、こんな素直に助言を求めていたなんて。
>長妻氏達の更迭によって、政治主導の難しさ、改革の難しさのリアリティーを、国民は改めて実感すべきである。
改めて実感したからって、改革が進むわけじゃないんだろうなぁ。
これでまた税金の無駄遣いによる、変な横滑り操作によってあやつらの懐に金が入っていくという、不毛な不公平社会の存続。
わたしもさ、官僚さんが何をやっていようと、どんだけ得をしていようと興味ないんだけど、税金払っているわけだから。その無駄っていうのがーーあーー結論でない。うんこしよう。厚労省の話のあとはうんこだ。
追記
>厚労省官僚の天下り先の公表や、非現実的な年金積立金の運用目標を拒否するなど、目立たないながらも長妻氏のファインプレーがちらほらとはみえはじめていた
というところを、うんとアピールしておこう。
それだけでもエライじゃん?
時々「東京で起きている事件」で検索してくる方いるけど、ここらへんが、東京で起きている事件なんだよ☆