(今年から、感想類はすべて「れびゅう」というカテゴリへ)
1. guide into daydream
2. violent parade
3. gamble
4. clockwork dance
5. useless action
6. i.w.o.m.f.p.p just an android
7. violator
8. balancing doll
9. defunct
10. swallowtail
11. a moon tonight
12. a lull in the wind
13. lullaby
ゆっきーさんって変わった曲作る人みたいな認識だったけど、やっぱ変わっていた。インダストリアルミュージックというらしく、建築現場の音や、わざとノイズ、無機質な音を多用し、人間味を出すよりも機械仕掛けのようなスタイルらしい……。最初はその無機質さに抵抗あったけど、よく聴くと甘ったるさがなくて、かといってクールすぎず、媚びず荒れず売れそうにもなく、若すぎず落ち着きすぎずで、良いような気がしてきた。3年前のupだけど、Acid Android Artist Feed on IMF: The Int’l Music FeedというYouTubeを見たら、「あれこういう顔していたんだ、目大きい」と思った。いつも見てよく知っている気でいたけど、本当は見ていなかったのかも。アルバム全体としては『QUADRINITY』で並んだ7曲よりまとまりがいいから聴きやすい。さっき「売れそうになく」なんて書いたけどあれは嘘で、12. a lull in the wind 、13. lullabyはすごくいい曲。その前のa moon tonightも。というか、8. balancing doll あたりから無茶無茶POPでノリノリだからチョウご機嫌(死語^^)。9. defunct も骨太でイキのいい曲で自然とリズムを取ってしまうから、「これ好きだな。defunctってどういう意味だろ?」と調べたら、「死んだ、故~、今は亡き」という意味だった。と聞くとどこか虚無感が漂っているのかと思われるかもしれないけどそういう印象はぜんぜんない。真摯に、まじめに作り込んでいると感じるアルバム。12. a lull in the wind は、すごく雰囲気がある良い曲。歌詞もいたってストレート。その歌詞は悲しい後悔の味がするもの。こんな時、人は悔いる、嘆く、あるいは自分を責める、罰する、という方向へ向かうところを、この歌は柔かく、そういうのじゃない方向へいざなう。ずるいと言われりゃそれまで、意気地なしと言われればそれまでだけど、だからってうまくいかない事はいかない。そんな時この風が吹いた。lullは「一時的な静止、一時的な静けさ、小康状態、気持ちを和らげる[静める]もの[音・歌]、落ち着いた状態」と、読んでいるだけで安らいでくる意味を持つ。続く13. lullabyは、12曲目と切れ目なく一続きになった曲で、あの寂しさと後悔がlullaby(子守唄)となって展開するかのよう。「君に」「寂しさ」「逃げて」と記憶に残った単語の、悲しい意味が消えて、深い場所で淡々とニュアンスを変えながら息づく。…なんか、そういうイメージ。 どんな想いもこんな風にいつか、子守唄になって君に届けばいいと思える。