佐藤栄佐久ブログ、読んだ
佐藤栄佐久氏がブログを更新していた。
佐藤氏が誰かというのを知らない人もいるかもしれないので少しだけ説明すると、福島県の前知事。
前知事というだけなら珍しくないけど、わけあって、色々と大変な目にあった人。というか、今でもまだその大変な「闘い」のさなかにいる人。
「闘い」は、氏にのみ固有に起きた(る)特殊なことではなく、日本にいるなら誰にでも降りかかる可能性がある。先だっての「PC遠隔操作:誤認逮捕」でも見たように、警察・検察という犯罪を取り締まる権力サイドは、重大な問題を抱えているからだ。
☆参考:PC遠隔操作:誤認逮捕「痛み癒えぬ」…男性の父が文書- 毎日jp(毎日新聞)
具体的には
- まだ捜査段階で犯人と決まったわけでもないのに長すぎる拘留期間
- 警察官という特殊な職業(ヤクザと渡り合うくらいに暴力慣れした、一般市民領域とは違う感覚の人間、つまり、一般人よりもはるかにヤクザ系列の人間)に、弁護士もつかないまま長期にわたり詰問され続けるという、それ自体がすでにして拷問であるようなことをされる。
- 真実の究明や人権のためではなく、警察・検察の都合や体裁や見栄のために行われる捜査。そのため、自分たちで好き勝手にもっともらしい犯罪動機を捏造し、それを「自供」したことにするという、信じがたいまでの、それ自体が要捜査、要逮捕に匹敵する重大な犯罪性。
- それらが、完全な密室で行われ、可視化されていない
↑今度の遠隔操作事件では真犯人が出てきたから言い逃れできなくなって「誤認逮捕」と認めたが、そうでないケースならそのまま犯罪者にされそうだ。上記大学生も、素人考えだと、起きた事をそのまま告白・告発してくれたらいいのにと思うが、父親の話だとダメージが相当に大きそうで、そうはいかないのだろう。
といった事に加え、佐藤氏の場合は、原発利権、原発ムラ、霞ヶ関官僚も絡むから、闘いの規模は大きい。
といっても佐藤栄佐久氏は特に反原発思想の人ってわけではない。というのも、福島には40年も前から福島第一原発、第二原発とあり、原発立地地域の利害に深く関わっている。暴力団なども含む根深い関わりだ。であるからいくら知事だからといってそこらへんの事情をないがしろにはできない。
なので、原発自体を廃止しようとか、そういうことではなかったのであるが、しかし、1Fも2Fも実は事故ばかり起こしていた。原発で働いている人からのリーク事故情報も多かった。看過できないかなり重大な事故もある。が、東電は前向きに対処するのではなく、ひたすら隠蔽した。
そこへ加え、プルサーマル導入話しだ。(プルサーマルが何か、などいうのは御自分で調べて頂いて。)
プルサーマルの導入に知事として安易に同意することのできなかった氏は、幾度も経産省や東京都知事などと話し合いの場を持った。意見を交わし、議論することが必要だった。
と、そのさなかで起きたのが、収賄疑惑だ(2006年)。
☆ ☆ ☆
この「収賄疑惑」には、水谷建設や、フロッピー改竄事件の前田恒彦検事など、あちこちで捏造や冤罪に関わっているのが登場する。氏は書籍も何冊か出しているのでそちらに詳しい。わたし自身も、原発事故後と遅きに失しているのではあるが氏のことを知り、本を読み感想をアップした。
『福島原発の真実』を読むことをわたしは推奨するが、読まないまでも、氏が10月16日の上告棄却後にupしたブログだけでも見ると良いのではないだろうか。少なくとも、今までのかいつまんでの概要と、氏の現在の心境は伝わってきた。
関連:
★あぶくま抄(10月17日) | 県内ニュース | 福島民報
福島民報って、適当なこと書いてないですかね? もう少し真面目にやってほしい。
☆堤未果 x 魚住昭「佐藤栄佐久前福島県知事の有罪判決」 2012.10.17 – YouTube
警察や検察もひどいのだけど、司法ってのが本当に困った判断をする。
「検察の顔をたてるため」に、佐藤氏を有罪にしてしまった。
Wikipediaを見ると、三審制にしろ、最高裁判所 (日本)にしろ、立派な説明があるというのに。