プラントハンター
居間に『13歳のハローワーク』が転がっていたので、なにげに手に取り目次を見ると、「植物が好き」という大分類があり、その下位に関連した職業が具体的に色々と並んでいた。
植木屋やフラワーデザイナーがそれであるが、この本自体が若干もう古いのか、今ならガーデニング関係のさまざまな職業があるように思うけれど、種類は多くなかった。ものすごく興味をそそられたのは、植物の項で第一に挙がっていた「プラントハンター」という仕事だった。今思い出して説明すると…
「プラントハンター」は今は存在しない職業であるが、大航海時代、植民地時代には華々しく活躍した。その時代のイギリスをはじめとした欧州では、オレンジは憧れの果実であった。であるから、高く取引されていた。プラントハンターは、オレンジと同様に人々に驚かれ、欲しがられる植物を、アジア、アフリカなどの往々にして危険な場所まで探しにいく職業だ…
プラントハンターという仕事を、著者はとりわけ「職業の原型」として位置づけ、思い入れをもって説明していた。
あらためてwikipediaでも調べると、日本に来たペリーの黒船にも、二名のプラントハンターが同船していたというから驚きだ。
そんなプラントハンター、今は存在しないなんてことはなく、Plant Hunterなんていうブログがあって、ブログ記事はまだちょっとしか見ていないけど、どうやらあちこちの植物と独特のかかわりをしているようだ。
何よりわたしが驚いたのはそういう職業の存在よりも、これだけ多くの人が植物というものに深く関わっている、その関わり方の多様さとユニークさであり、今まで植物という存在がほとんど目に入っていなかった自分という人間に対してであり、それでも生きて来れたという、この世界のゆるやかな大らかさに対してだ。