百円均一ショップに行って、自転車用のオイルを買って、ついでに、目に止まった「種田山頭火」の本を買った。
自転車用のオイルを買ったのは、ここのところ、ずっと自転車をこぐたびに「キシキシ」みたいな音がしていたからだ。「キシキシ」はすごく乾いた音で、ペダルを踏み始めると、すぐに聞こえる。そして、自転車に乗っている間中、ずっと聞こえる。
「キシキシ」は、想像をめぐらせて翻訳すれば、「ギャー痛いー」なのかもしれず、そういえば、メンテナンスというやつを、数ヶ月に一回はしなくてはいけないのに、数ヶ月どころか数年やっていないのだった。
オイルは、百均ショップの駐輪場ですぐに差した。走行は滑らかになったけれど、「キシキシ」は、しばらく続いた。
「種田山頭火」は俳人ですか。
ずっとずっと以前に、夜中のNHKラジオを聞いていたら、アナウンサーが朗読を始めて、引き込まれた。合い間に、アナウンサーが「種田山頭火」について解説してくれて、「放浪」「…世を捨てて」「ボロを着て…」などなどと言っていた。いくつか紹介した俳句の中では、
どうしようもないわたしが歩いている
の印象が強かった。
今さっき、百円で買って来た「種田山頭火」の句集を見たら、やはりいろいろと印象的な句があって、
影もはつきりと若葉
わかれてきた道がまっすぐ
などなど多数。その中でも次の句は、音楽のようであり、絵画のようでもあり、心の琴線が、二度三度と触れてほしがるような言葉のつながり。
月の明るい水汲んでおく