点と線

先月録画しておいた『点と線』みた。

今の時代に松本清張ドラマは古臭くないかと心配だったものの、そんなことはなく、昭和三十年代の時代感がよみがえってきたし、そういえばあの頃はまだまだ戦争の傷跡が生々しかったのだと再認識。
『父親たちの星条旗』の元衛生兵ドク・ブラッドリーがそうだったように、戦地から帰って来た人は、その体験を語らない人が多いように見受ける。昨年だったか、『男たちのやまと』を見て鬱になった八十代の男性が入院してきたことがあったが、あの方は映画をみて兵隊体験が蘇ってきたらしかった。しかし、その体験の詳細は語られることはないし、聴くサイドであるこちらも、聞き出して具合をより悪くさせてもまずいだろう。

古さを感じさせない要因は、基調が二組の夫婦愛にあったためかもしれない。
時代時代で揺らぎやすい正義や悪の基準ではなく。
あと、ビートたけしの緊迫感というのか、一日のうちのわずか6分という時間について追求する執念は、スリル満点でドキドキした。

さほどのトリックがあるわけではないものの、緊張感があった。
亡くなった奥さんが元ダンサーというのが意外や意外で、どんな顔で口説いたのやらと想像すると楽しい。
ダンスの音楽のからみで、ビートたけしが歌を口づさむ。この方は歌うたいとしても素晴らしくて、わたしも若い頃はLPレコードを2枚持っていた。なんとかがチャッチャッチャとか言うのだ。あとハードレインで愛はずぶ濡れとか。たけし軍団とのコンサートにも行ったものである。

開局50年記念ということで、ほかの出演者も大勢いて、その誰もがかなりの名演を見せていた。ことに博多署に勤める面々は、ああいう人たちなんか懐かしい。大鶴ぎたんサンにいたっては、今まで見た中で一番のはまり役だった。高橋克典サンは今、男の子育てという番組でダメ父役をやっていて、それとなく厳しい視線で何となく見ているのだが、あっちよりかはこっちのが断然いいし、個性も生かされていた。

しかし、ああいう暑苦しい正義感を燃やしあう(本庁の若い刑事ら)ことって、今もあるのだろうか。
この時代について、考えさせられるものがあった。
あと、九州に行くとき一回だけSLに乗ったことがあるので、すごく懐かしかった。

back to top

bluegreen
  • bluegreen