ことさら残虐動画を撮影しアップする「イスラム国」と、動画はアップしないけどバンバン民間人を殺す米軍。どっちがどっち?

【ISISの新たな動画】

さっきニュースアプリを開いたら、人質になっていたヨルダン人パイロットの顔写真が大きく出てきて息をのんだ。

その時すでに、ISISがパイロットの殺害動画をアップした旨の文字列をどこかで読んでいた。
とてもイヤな気持ちだった。

それが頭にあって、だから、死後の顔かと思ってのけぞったのだ。

しかしそのはずはないともすぐに気が付いた。なぜならその動画は、今までにも増して残虐な内容で(どう残虐なのか説明するのもイヤだ)、その通りなのだとすると顔らしい顔が残っているかどうかすら怪しいからだ。

【報道】

ちゃんと考えている報道なら(もちろん当方の取ってる東京新聞も)、ISISの見せつける動画など使用して彼らの広報マンに成り下がったりはしない。使用するアホ報道があるとすると、視聴率命のテレビと「テロとの戦い」機運を盛り上げたい読売新聞くらいなものだろう(あ、万が一違ってたらすみません)。

けど、よく考えたら、残虐映像を送り付けてくるからISIS酷いとなるけど、対イラクだけでもアメリカは民間人をさんざん殺した。アメリカは、それを映像にして見せたりしないだけだ。

参照:Iraq Body Count
イラクボディカウント(死亡者集計)プロジェクトについて

そういえばWikileaksが昨年4月、2007年に米軍ヘリがイラクの民間人を射殺する様子を撮影した内部ビデオを暴露していた。

軍事力や殺傷数で圧倒的に大きいアメリカはそれが映像にならないよう注意深く隠し、いくら残虐でも規模が小さい「イスラム国」はことさら動画撮影して見せつける。
家内制手工業みたいな「イスラム国」でも、この方法なら、軍事大国なみのインパクトを与えられると、気づいてしまった。

【そして思ったね・・・】

だけど、恐ろしいことに、その映像を見たいという奇態な衝動が時おりちょっと湧いてくる。
本当にかすかに、さざ波のように、遠くの暗闇から寄せてくる。
そんなもの見たくないのは確かにぜったいに見たくないと、思いつつも。

もしもキリスト教徒だったら、罪悪感にさいなまれ懺悔室に駆け込んでるかもしれない。
当方は幸運にもアーメンではないので、自分にちょっと驚き「人間ってこわいなあ」とゾッとする程度でおさまっている。

ともかく、「イスラム国」の映像戦略に騙されないようにするのと同様、アメリカのそれにも騙されないようにしたい!!


※非映像的に数字だけで伝える、イラク民間人の被害者数。地味ではあるが、ときに映像に頼らないことは必要