憲法談義の今を調べる
3日が憲法記念日だったこともあり、憲法論議の現状を点検してみることにした。
さっそく今朝の東京新聞から得た知識を披露したい。東京新聞だけだと偏りそうなので、産経新聞WEBも見てみた。
事前豆知識1:自民党の改憲草案は2012年に出したものが最新。 コレ
事前豆知識2:九条の一項二項ってのはコレ↓↓(九条は二項まで)
第2章 戦争の放棄
第9条 戦争放棄、軍備及び交戦権否認
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
安倍晋三首相氏の今
2012年の自民党案には「国防軍」の保持などがあったが、それは封印し、九条一項、二項を残した上で自衛隊の存在を明文で書き込む内容を提案した模様。
これは、公明党や民進党に歩み寄った内容であり、賛同を得やすくする意図があったと見られている。
ところが安倍氏、国論を二分する九条見直しを後回しにし、緊急事態条項の新設などを優先する戦略を描いてきたという。ひょっとして、石破氏に「今までの自民党の議論は何だったのか」と批判されて焦ったのかも。(参照:石破茂氏が首相改憲メッセージにさっそく疑義)
緊急事態条項の新設への反応
民進党の野田幹事長:「行政府の長が(憲法審査会という)立法府の審議のありように強く介入している」と批判
共産党の小池さん:「自衛隊が海外で制約のない武力行使をすることに道を開くものだ」
その他の反応
「憲法施行から70年。安倍総理が改憲スケジュールを明言する中、いま議論すべき論点とは?」TBSラジオの中のゲストのみなさん。
石川氏・シビリアンコントロールについて:職業的でなく軍事を考える一般人の方が好戦的思考をもつとのデータがあり、国民に全権委任的に判断を任すことが正しいわけではない。といった説明が印象的だった。
道下氏:海外からの留学生に「日本人は嘘つき」と言われるのがツラい、とのこと。(自衛隊は軍隊なのにそうでないような言い方をするのが嘘つきに映るそう)
田中氏:国民という言葉が連発されていることが、在日や外国人にとって困る。他の言葉で表現してほしい、とのことだった。確かにそうだなと思った。
改憲運動に欠けているもの
三浦氏:安倍晋三氏の九条一項、二項を残した上で自衛隊の存在を明文化に反対し、二項削除して自衛隊を軍隊とハッキリさせよ、とのご意見。頭のいい人ってこれだから困る。愚鈍であることも大事なんだよ人間。一項、二項保持で自衛隊の役割明記する安倍案、案外いい気がしてきた。
改憲までの流れ説明
する必要があるとは思えない改憲であるが、どうしてもする場合の流れを説明する。参照したのは東京新聞の「2020年改憲施行で想定される流れ」である
改憲原案の国会提出→→衆参両院で審査[両院とも憲法審査会は出席議員の過半数、本会議は総議員の3分の2以上の賛成で可決]→→改憲案を国民に発議[60~180日間に広報・周知期間]→→国民投票[有効投票総数の過半数の賛成で承認]→→公布→→施行
ちなみに現在は「改憲原案の国会提出」の前、である。