沖縄の落下物。「だから一日も早く辺野古移転をさせたら良い」という考えは間違いです。

沖縄県宜野湾市の小学校の運動場に、アメリカ軍ヘリが重さ約8キロの窓を落っことし、あやうく児童が死ぬところだった事件。
(*) 沖縄 落下物に関するTwitterニュース
沖縄・宜野湾 小学校に米軍ヘリから“窓”落下、児童けが
沖縄米軍、落下物はヘリの窓と認める「不安与えおわび」 – 沖縄:朝日新聞デジタル

「主権なき平和国家」をまた開いたら、「ひどい!!」と付箋を貼ったところ(この後どんどんひどい話が出てくるので序の口のひどさ)に、今回の件を説明するようなことが書いてあった。少しだけ引用しよう。

 しかし、まさに米軍の行動に政府の権限が及ばなかったり、法律が適用されない状況になっているのが日本なのです。その最大の原因は、日米地位協定にあります。
 イタリアでは米軍基地の管理権はイタリア側にありますが、日米地位協定では米軍基地の管理権は完全にアメリカ側にあるからです。
 日米地位協定第三条は、次のように定めています。

●日米地位協定 第三条
合衆国は、施設及び区域内において、それらの設定、運営、警護及び管理のため必要なすべての措置を執ることができる、

p.114

イタリアも日本と同じ敗戦国なので地位協定の比較のために出てきた。イタリアも当初は、米軍機が低空飛行訓練でロープウェイのケーブルを切断し多数の死者を出すなど、ひどい目にあっていた。が、毅然と対応し、自国に主導権を取り戻す地位協定にした。(ちなみに地位協定とは、「主権国家の中に、何らかの事情で異国の軍隊が駐留するという“異常事態”を制度化するもの」p.9 とのこと。)

「施設及び区域内」というと、あたかも基地の中だけ、という限定的な印象を与えるけれども、実はそうではない実態が、このあと書かれている。一言でいうと、“飛行訓練は基地の上だけってわけにはいかないのだから、日本のどこででも訓練していい”(大意)と、外務省の北米局長が答えているのである。p.212

つまり、日本の空のどこでも好きに飛べる状況になっている。

そのことと沖縄がどうつながるか?を、昨日から当方、考えているのである。
なぜなら、日本中どこでも飛べるなら、沖縄でばっか飛んでないで、東京の小学校の上でも飛べばいいからである。

素直に考えれば、東京の小学校の上を飛んでたら、さすがの日本人(一般人、政治家、マスコミなど)も騒ぐからだろう。そのため、米軍もそこは避けて飛んでいる。あるいは、外務省の北米局長も「そこらへんは飛ばないで」というサインを送っているのかもしれない。しかし、沖縄で飛ぶ分には日本人(一般人、政治家、マスコミなど)はさほど騒がない。

翁長雄志(おながたけし)知事が「沖縄だけが危険な目に遭い、子どもたちや県民の生命財産が脅かされている。」と怒るのは当然だ。

この件への解決策として、
「(小学校のある宜野湾市に基地があるのは危険だから)だから一日も早く辺野古移転をさせたら良い」という意見が散見されるけれど、そういう問題ではないと、分かる。

それでは、アメリカ軍が日本の空を好き勝手に飛べる、という事態に変わりはない。

そして「どこでも飛べるけど、東京とかではなく、沖縄で飛んでね」という話も変わらない。

引用箇所に照らし合わせて言うなら、

日本が、米軍基地の管理権を完全にもつ

…… それくらいまでいけるのか。……

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