ダークウェブとホワイトハッカー
母の日の前日、末次郎が帰ってきてくれた。ばんざーいばんざーい
日頃あまり仲の良くないT-Tと末次郎も、この日ばかりは喋っててうれしかった。
そんな素敵な土曜日、腹一杯すき焼きを食べ終わった頃、テレビでドキュメンタリー番組が始まった。
NHKスペシャル『仮想通貨ウォーズ ~盗まれた580億円を追え!~』
というやつで、今年の1月26日に起きた580億円分の仮想通貨(NEM(ネム/XEM),NEM)強奪事件、その犯人を追跡するホワイトハッカーたちに密着取材したものだ。
強奪事件といっても、どこの誰に同情したらいいのか分かりづらい。被害者の数は26万人にのぼるそうだが、仮想通貨などというあぶなかっしい形で資産を持つなんて、よほど余剰資金のある人なのか?
それとも、爪に火を灯すようにせっせと貯めた金を利息のつかない銀行に預けたくなくて、仮想通貨に換えた?
★~☆~★~☆
強奪犯のやり口だが、まず半年かけてコインチェック社の(会社名は番組では出なかったと思う)エンジニアとメールのやり取りをし、すっかり信頼させて、ウィルスを仕込んだURLをクリックさせた、という。
素人だってあやしいURLや添付ファイルを開かないというの、常識中の常識なのに、プロのエンジニアをそこまで信用させてしまったのだ。
卑劣だ。ひっでー卑劣だ。
誰に同情するって、このエンジニア氏が一番かわいそー と思った。
肝心のホワイトハッカーだが、番組にはホワイトハッカーが3、4人出てきた。なんかもう「自分の顔」が若くしてできているせいか、やけにカッコよかった。NHK撮影班の撮り方がコナレているせいもあるだろう。いいアングルからアップにしたり、真剣な表情をすかさず捉えたり。ひとり、顔出しではなくアニメアイコンのホワイトハッカーもいたが、それはそれで仮想空間で闘う人っぽくてカッコよかった。
にても、ダークウェブ。
なんだそのダークウェブってのは?
番組では臓器売買や不正取引を行うみたいなことを言っていた。
Wikipedia で調べると、「ダークウェブはTorネットワークのトラフィックの僅か3%しか占めていない」との事だが。
強奪されたNEMは最終的に全額3月22日に他の仮想通貨に交換されてしまった。ダークウェブ上の犯人開設のサイトには「Thank you」の文字と金正恩のはしゃいだ顔と札束が乱舞して、勝利宣言していた。
ムカつくなんてもんじゃないが、これらのことから、「北朝鮮人犯人説」はひとまず消えたそうだ。北朝鮮がやったのなら、金正恩をおふざけ的に出さないだろうという理由で。ただ北朝鮮人だって皆が皆金正恩を崇拝してるわけじゃないだろうから、北朝鮮の誰か、という説を消すのは時期尚早だ。あと、「メールで信頼させたのだから犯人日本人」説も根拠薄弱だ。日本語など拉致した日本人に教わったら堪能になる。(北朝鮮犯人と決めつけてるわけじゃありません)(あとこの説はNHKが言ってたわけじゃないです)
さらによく考えると、これは単なる強奪事件ではない。
つまり、単なる金の問題じゃない。
なんだろなぁ。いまだわたしには薄らボンヤリしててよく分からないけど……