Hagex氏が受けた誤解をはらしましょ。旧題「最近気になった出来事。インターネットをもっと楽しい場所にするために」
低能先生はなぜHagex氏を刺殺した?報道とは違う“ネット民が見た経緯” | 日刊SPA!
わたしも既読かつ既レビューの『ネットの釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』を書いたHagex氏が殺害されたと最初に聞いた時は、それこそ釣りじゃないかと一瞬疑った。が、とても残念なことに正真正銘の真実だった。
氏のサイトのプロフィール欄を見ると「三度の飯よりインターネットが大好きなネットウォッチャー」で、好きなものは「発言小町、2ちゃんねる、炎上、有料メルマガ、はてな、デマ」。なので、もともとあぶなっかしい場所に生息していたのだけど、だからって殺されるとは、何が起きたのか?
最初わたしは、Hagex氏が松本容疑者を「低脳」呼ばわりしていたのかと思った。そのような印象の報道だったからだ。そのため「Hagexさんて人間の怖さを知らない人だったんだな」「いくら何でも低脳呼ばわりはよくないよ」と思ってしまった。
が、SPA!の記事を読んだら、事態はまったく逆であることが分かった。
他人のことを「低脳」呼ばわりしていたのは、松本容疑者だったのだ。「はてなブックマーク」というネットサービスにて他人を攻撃し続けていた。「はてな」が松本容疑者のIDをBANすると再度新しいのを作って同様に他人を「低脳」と罵っていた様子だ。
そのため、Hagex氏は、相手を「低脳先生」と呼んだ。
それはいたって自然な成り行きでもあったろう。なにせ、松本容疑者はこの時点では、IDを何度も作り替える匿名の人物だったのだ。特徴といえば人を低脳呼ばわりすることだったのだから、他の呼び方は思いつかない
低能先生の捨てIDをわかる限り集める(2018/5/31まで) は、松本容疑者が尋常じゃない数のはてなIDを作ってはBANされ、作ってはBANされを繰り返していたことが分かる。正気のさたじゃない。そのたびに「低脳」「低脳」と連呼していた。
報道とは、事実を視る視点と、伝え方の意識次第で、人を簡単に侮辱できるのだと、思った。Hagex氏も人を理由もなく低脳先生と侮辱する人にされてしまった感があるので、ここで強調して訂正したい。
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そんなで、本稿の一番言いたいテーマは言い終わった。
あとの問題は、「低脳先生」はなぜそんなことをしたのか? しないではいられなかったのか? これからも、こういう人間が現れるのか?
ということだが、通常、そんなことまでを考える義務はない。
ただ、こうなった以上、再度の悲劇を防ぐ意味と、インターネットが不愉快な場所になることを防ぐ意味でも考えてみよう。
ひとつは、松本容疑者がボーダーである、可能性だ。
以前、精神科医の人が「ボーダーの主戦場はリアルからネットに移った」とツイートしていたけど、そういう感じではなかろうか? ボーダーの正式名称は「境界性パーソナリティ障害」だ。わたしが働いているせいしん病棟にもよく入院してくる。が、以前よりも少ない気がする。ネットで発散できているせいかもしれない。
ボーダーについてはぐぐっていただくとして、ボーターとして育ってしまう原因は、確定的にはわかっていない。ソースによっては「母親の育児放棄」「母親の虐待」「母親が悪い」とあるが、必ずしも母親とは決まっていなくて、乳幼児期に泣く、ぐずる、などで示した欲求に応える者がいなかったためだろうと、言われている。
松本容疑者がそれにあたるのかよく分からない。
が、もしもこれから、松本容疑者みたいな人が現れたら、本人に直接会って話しを聞くチーム態勢を作ってもいいのではないか? 人生経験豊富な中高年~リタイアしてヒマになった高齢者でつくってもいい(専門家含む)(ひとりでやっちゃだめ)。
ネットサービス会社にそこまでの義務はないとは思うが、気の持ちようとして。
ID→誹謗中傷などの言語的暴力行為→BAN を繰り返すだけでは解決しないのではないかと危惧するためだ。
どうか、Hagex氏の死が、むだになりませんように。
2018/08/19、旧題の記事をもとに、内容が明快になるよう訂正しました