とても静かな夜ですシンシンと
なぜ泣けるのか?
明治維新の頃の日本人の気持ちが分かった気がしたからだ。
あの頃、日本人は西洋のすごさを知って、江戸幕府を倒して新政府を樹立するんだと、決意した。
西洋に、負けん。
西洋に、いつか追いつっ。そしていつか西洋を追い越してやっ。
そう決心した当時の日本人は燃えに燃えた。
そうして、東大も作ったし国会も作ったし。科学でも負けねえ、工業でも負けねえ、経済も負けねえと、頑張った。
むちゃくちゃ頑張ったから、西洋に尊敬されるようなものも結構作れた。優れた技術で車産業発展した。その他も。
それは良かったんだが、そのうち日本政府は目標を見失った。
目指していた西洋が、たくさんの移民を受け入れて、白人オンリーの世界じゃなくなったからだ。
ああいう西洋なら憧れないし、目指さない。とういうのが、日本だった。
目標を見失って、迷走を始めた。総理大臣はさした理由もなく頻繁に変わった。みっともなかった。どんどんわけわからないことになっていった。
その挙げ句が安倍政権だ。
明治以前にもどったんだ。
江戸時代にも良さはたくさんあった。浮世絵はフランスの画家にリスペクトされてた。日本文化はもともとスゴいんだ。
だからって、国のあり方まで江戸時代でいいんだろうか? 参勤交代でもやるんだろうか。
今の、市民が病気の感染におびえ、自由を制限され、生活の糧さえ奪われている状況で、首相の悪口しか出てこない国ってあるんだろうか?
あのトランプでさえ、さほど悪評は聞こえてこない。
記者会見で、テキスト送信された画面を見ながら得意になってしゃべる首相。その場を乗り切る返事しかしない首相。
その内容は、まったくコミュニケーション的ではなかった。
疑問をつぶつける記者の気持を(それはかなりの国民の思いと同じだ)、はねつける性質のものでしかなかった。
なぜ、そういう疑問が発せられるのか、そこにどんな苦しみや悩みがあってのことなのか、本質を洞察しながら答える、というのじゃなかった。
記者の(つまりは国民の)疑問を上手にあしらい、自分が堂々とできればそれで良いと、それだけの首相。
首相個人だけの問題ではなく、ぜんぶが明治より前にもどった感じ。
イギリスも、ニュージーランドも(たぶん他の国も)、新型コロナに対しどう考え、どう方針をとるのか伝わってくる。
日本じゃ日本が何をやっているのか、誰も説明できない。(首相によると、イノベーションで薬を作るという、地に足のつかないことを言っており、科学的姿勢はゼロ。薬は薬で、どこの国も取り組んでいると思われる。できるかどうかわからん物について言わないだけ)
不透明。きりの中。
西洋に比べて、あまりに劣っていると悔しがった薩長の気持。それがわかる。