子ども達のスタート地点を同じにするために(教育格差を考える)
今年のノーベル化学賞を2人の女性科学者が受賞しました。
「CRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)」と呼ばれる遺伝子の「はさみ」の開発が評価されたのです。
「これを用いることで、研究者らは動物や植物、微生物のDNAを極めて高精度で改変することができる」「この技術は生命科学分野に画期的な影響をもたらし、新たながん治療に貢献している。遺伝疾患を治すという夢を実現する可能性も秘めている」
また一歩、デザイナーベイビーの現実化に近づいたということでしょうか?
実際、この技術の話の帰結点は決まってその話になると、ゲノム編集技術・Crispr Cas9は「まず農業で」と、開発者は語った #WIREDBizCon | WIRED.jpに書いてあります。
「それほど遠くない未来、Crisprが遺伝子疾患を治す可能性は本当に高いと思います」と、彼女は語った。「しかし、責任ある方法で前進するためには、全世界的なコンセンサスを策定する必要があるのです」
「疾患を治す」という文句の付け所のない話でも、一度始まれば歯止めが効かなくなりそうです。というか、そもそも、何が疾患なのか、という問題もあります。ある人にとっては「一重まぶた」が疾患となり、クリスパー・キャスナインでその遺伝子をカット、「二重まぶた」の遺伝子と交換してもらおうと、熱望しかねません。
(これはわたしが「一重まぶた」の当時者だから言えることであって、「二重まぶた」だったら言いにくくて言ってないです。)
誰が最初に「一重まぶた」をクリスパー・キャスナインでカットし「二重まぶた」にするのでしょうか。
やはり、持てる者、でしょうか。
わたしの勝手な推測ですが、持てる者は、ここらへんを虎視眈々と狙っていると思います。やるのはもちろん「一重まぶた」ごときではなく、何らかの疾患でしょう。持てる者も、その家系に疾患の遺伝子を持っているでしょうから。
あるいは、より「優秀」な頭脳を得ようとするかもしれません。
ところが、こんな記事も見つけました。「天才になる遺伝子」についての研究結果 | WIRED.jp
天才と普通の人の遺伝子を調べて、違いがどこにあるのか調べたそうです。
ざっくり言うと、特に遺伝子に違いはなかったそうです。
よりずっと簡単で生産的なのは、遺伝とは別のもう半分、環境の方に働きかけることだ。知性の遺伝学は、将来、われわれそれぞれの潜在能力を発現させるために、よりよく教育プログラムを発展させることだろう。遺伝と知性の間の関係を知ることは、われわれをゲノムの奴隷にするのではなく、反対に、その影響をよりよく形成するために行動することに役立つのだ。
とのことで、つまり、教育プログラムこそが重要。
本人のポテンシャルを最大限に生かし、伸ばすことができる教育プログラムが。
⇒続く