続続続・子どもだけでも避難(疎開)、という案はどうなっているのか?
このブログでは5月4日に「20ミリシーベルト」撤回要求 対政府交渉-福島の子どもたちを守れ!という記事をアップした。
この交渉は、法律では年間1ミリシーベルトしか浴びてはいけないことになっている放射線を、政府は20ミリシーベルトまで安全とした、それへの撤回要求を文科省と原子力安全委員会相手に行うものだった。が実質は、除洗の妨害をしないでくれといった、ごくごく最低限の要求をのませるのに精一杯で、役人の話しの通じなさには見ているだけで疲弊したのだから、実際に交渉に臨んだ人たちの苦労がしのばれる。
そのためではないが、しばらく交渉を見れていなかった。
それが、7月19日にも政府相手の交渉があり、WEB Iwakamiのユーストで配信されていたので見てみた。
→そのアーカイブ
→【福島報告】 「国が安全と認めた所には留まって頂く」 霞が関役人の冷酷(田中龍作氏の記事)
当方なかなか全部を見れなかったのと、聞き取りづらい部分もあったため不十分であるが、把握し得た分を私情もまじえ伝達する。
■福島県民も、他の国民と同じく、無用な被曝を避ける権利ありますよね?
…という質問が、交渉にあたっての前提確認として役人に投げかけられた。
当然どの国民にも等しくあるに決まっているもので、どこかの県だけ違うなどあるはずはないし、原発事故があったからといって変わるわけがない。
のであったがその答えは、ノラクラ、ノラクラ、ノラクラ…
あまりノラクラしているため、数回繰り返して質問するもノラクラノラクラ…
役人は、「できる限り、努力してーー」とか言っていた。
この段階で、ハッキリと憲法違反なのが判明したってことだ。
■外部被曝ばかりではなく、内部被曝も考慮すべきだと思いますよね?
■内部被曝の計算方法を教えてください
今だに決まっていないらしいこの問題、役人の答えがわたしにはよく分らなかった。
彼らが言うに、空間線量を1.5倍したら内部被曝も入るみたいな、適当なことを言っていた気が…
(一応メモしながら聞いているだけど、要領を得ない話しほど理解しにくいものはないのである)
交渉側はいろいろ聞き、そのたび辛抱強く答えを待つのだけど、ほんとに変な事ばかり言う。
たとえば、空間線量に関しては、どこをどういう風に調査しているのか聞くと「自動車走行サーべー」なるもので測っているというのだけど、自動車で適当に走るだけで分るのかどうか? また、役人が言う内部被曝は、土壌から舞上がった分を吸い込む呼吸器への内部被曝を多少考慮しているだけで、口から入る食品のことはさして考慮していない様子。
つまるところ、役人(役人というか「現地対策本部」というを作ったらしく、交渉相手がそれなのであるが、現地対策本部なら現地にいるはずなので、協力しあうならともかく交渉するの変だなと思うのであるが、ともかく並んでいる相手は「現地対策本部」らしいのである。そしてまた福島親サイドが「あなたたちが政府そのものなんです!!」と強く呼びかけていたように、直接訴える事のできる相手は「現地対策本部」に絞られている様子だ)
そして、内部被曝について役人は、「個人の生活パターンによって違うので」と言い訳ばかりしていて、その違う分も織り込んだ計算方法を出せないのか?
そんなで、内部被曝に関して、はかばかしい答えを出せないでいる。
内部被曝量をまじめに出すと大変大きな数字になるため、わざとノラクラしているのなら、まさに犯罪ではなかろうか? やや関係ないが少し前(17日)のタイムラインで、郷原氏が<(明石昇二郎氏、広瀬隆氏の)趣旨は理解できますが、業務上過失致死傷罪の成立には、過失行為と死傷の結果との因果関係が必要です。告発状で示されている内容では、死傷自体の認定、又は因果関係の立証が困難です>とか言っていたが、そこをなんとか力強い説得力ある論理を作り上げるのが弁護士とかの仕事でしょう!!
■避難について。サテライト疎開の提案
子どもだけでも疎開させたい、
そのために国と県が支援をしてほしい。
という、希望。
チェルノブイリの時も、避難したがゆえに不幸になった、孤独になった、という事例が多くあった、という話しはすでに有名だ。しかし、それを理由に避難させないでいるには、放射線の危険が大きすぎないか? 特に子どもには。
そういう面もあってか、個々人がバラバラになる避難ではない避難を要望していた。
その後、子どもだけあるいは妻子だけでも避難させている、もしくはしようかどうか迷っている何人かが立ち上がり、自分達の窮状を訴えた。
確かに、個人が自主避難をすれば、膨大な金がかかるのは想像がつく。
世帯が一緒だから経済的に安定して暮らせているのが、ふたつに分離すればトイレ台所風呂などがふたつになり住居にかかる費用は倍近く、光熱費の基本料金二倍、ひとりが一回作ればすむ料理をふたりがやることになり二倍近く、そこへ通信費や交通費や引っ越し費、家電など必要経費含めたら大変な負担だ。それに加えて家族から離れたことによる孤独感だからたまらない。
田中龍作氏の写真にも出ている女性は、そこらへんも含め涙なしに聴けない訴えをしていた。(2時間10分頃)
とてもわたしには再現できないほど、痛々しい話しだった。
女性の話を聞いていて、これはもう政府じゃどうにもならないから、全国民で疎開費用を負担するしかないんじゃないかとマジで思った。調べると、日本の納税者数は740万人くらいいると言う。ひとりいくらでどれくらいの期間、子どもだけでも疎開させられるだろうか?
■自主的に避難したい人は(勝手に)してください…は、撤回してください!!
役人達、「自分達は決める立場にない」と逃げていたのに、「避難したい人はどうぞ」ととうとう「判断」した。
これには、しばし絶句していた福島親サイドであったが、しばらくして反論した。
なぜなら、日本国内どこへ引っ越そうとそれ自体はもともと憲法で保証された自由なのだ。
実際、避難できる人はすでにどこかへ避難してしまった。そういう形で、バラバラになってしまった。避難した先でその人たちは、チェルノブイリからの避難先で不幸になった人のように、なってしまうかもしれない。そのことを阻止しなくてはならないということもあり、上記の「撤回してください」であり、
■避難した人のネットワークを作れるように、政府も協力してください
という要望へつながった。
この事について、国と県が協力してほしいと、せつに訴えていた。
いやおうなく敵意が燃えてしまう場面もあるのだが、同時にどうにか助けてほしい、協力してほしいという念もあり、複雑な交渉になっている。
何はともあれ、内部被曝の計算法をちゃんと出して共有し、各人の被曝量を出すしかないような気がする。
そうすればより明確に疎開の必要性が見えてくる。(場合によってはしなくてもいいかもしれない)
自分達の暮らしをゆくゆくは原発事故から取り戻していくという前提で、
現地対策本部、というか政府、細野、菅、役人、早く答えを!!