嵐の中をいく自由報道協会アワード☆!☆
昨年の登場以来、もっとも有用な記者会見の場とともに驚きと顰蹙を提供し続けてきた「自由報道協会」。
今度は、自由報道協会賞なるイベントを開催している。
アワードといえば賞金だが、大賞に100万円をバーーンと大盤振る舞いするのだから、設立一年の権威のない賞とばかりあなどっていられない。金は人間にとって一番大事だ。(二番、三番という説もあり。念為)
そういう事で、当方も気楽に投票してみることにした。
と思ったら、またまた大顰蹙をかっていて
「自由報道協会賞」小沢氏受賞に異論続出 「選考不備」で仕切り直し
あれえ……
でもまあせっかく投票と決めたのでupする。
といっても、ひとつ(ひとり)だけ選ぶのが難しくて困った。
以下、第一回自由報道協会賞 最終投票(新版)をコピペしつつ考えて決めていきたい。
候補一覧/あいうえお順・敬称略
●秋山浩之・岩城浩幸(TBS)
「3.11大震災 記者たちの眼差し」は東日本大震災を取材したJNN27名の記者の24本のリポートをオムニバス形式で構成。未曽有の大震災に記者がどう向き合ったか、記者の葛藤などを描いた。
→すみません、知りませんでした… (いきなりがーーん)
●岩上安身(IWJ)
ジャーナリスト。IWJ代表。2010年12月にIWJを設立し、全国の様々な記者会見、抗議行動、勉強会およびキーマンへのインタビューを生中継した。とりわけ震災後は東京電力、気象庁、原子力安全・保安院をはじめ、原発・震災関連の記者会見を中継し続けた。
→岩上さんとIWJの存在は、原発事故以後、ほんとうに頼もしかったですね。投票するかも。
●Evan Osnos(THE NEW YORKER)
3月、日本に入った同誌記者らが、原発事故の実態と政府の情報隠蔽を世界に先駆けて報じ、その後の世界のフクシマ原発報道の流れを作った。
→すみません。知りませんでした……(この賞、こうやって教えてくれるのだけでもありがたいっす)
●おしどり(NPJ)
夫婦漫才コンビ。よしもとクリエイティブエージェンシー所属。震災後、東京電力会見をはじめ、多くの原発関連の会見に参加し、子どもの内部被曝等についての質問を繰り返した。また福島県の住民の思いを様々なかたちで取り上げ公表した。
→子どもの内部被曝を中心とした、一番関心をむけるべき的確で的を得たことを聞いてくれている気がして、本当に救われる思いがしました。自分的には一番投票する可能性大
●白石草(Our Planet TV)
NPO法人。インターネットを利用してドキュメンタリーを放送している。様々な地域やコミュニティの出来事を記録し、震災報道では子どもの放射線被害の危険性をいち早く指摘した。
→インターネットテレビなので、視聴時間がとれずちょっとしか見れなかったけれど、知りたいトピックがたくさんありました。それに、テレビが放映しない内容にこそ、すごいのがあるのだと思いました。
●添田孝史(元朝日新聞記者・フリーランス)
朝日新聞大阪科学部の元記者。今はフリージャーナリストとして活動。3月25日の朝日新聞記事において、政府が「SPEEDI」の結果を生かせなかったこと、そして津波の予測が以前からされていたことをいち早く指摘した。
→すみません、知りませんでした。さきほどツイッターでフォローしました。誰か早めに教えてくれないと~
●田中龍作(田中龍作ジャーナル)
ジャーナリスト。3.11以降、福島原発事故での東電、政府、マスコミの責任を追及した。エジプト、リビア、アメリカ等、世界中の市民デモを取材している。
→東電などの記者会見場でもバンバン怒ってくれるので、人間味があってファンです。記事も軸がぶれず安定感があって読みやすい。
●広河隆一(DAYS JAPAN)
震災直後、フリージャーナリストとしていち早く東京電力福島第一原発周辺に到着し、ガイガーカウンターによる放射線測定を行い、高線量の放射能事故が発生していることを最初に具体性をもって報じた。
→昨年4月号からDAYS JAPAN、購読しています。震災と原発事故報道を知るために始めた購読だけど、読み出してみると、世界中が紛争と饑餓と内戦だらけで、フクシマというのはその中のひとつなのだと分かりました。この事は、「ひとつにすぎない」ともいえるし、「ひとつになってしまった」ともいえ、原発事故をきっかけに世界に目を向けることができました。
●水野倫之(NHK)
NHK解説委員。原子力を専門とする解説委員。東京電力福島第一原発事故の解説を連日にわたって行ない、発生直後、原発事故を「極めて深刻な事態」と指摘した。
→事故以降の、マスコミ報道全体を信じられない闇のような状況の中で、「水野さんは信用できる」というツイートを多数見かけました。
【3.11賞(9件)】
候補一覧/あいうえお順・敬称略
●「@Fukushima 私たちの望むものは」(産学社)
福島で被災した様々な立場にある61人へのインタビュー。放射能事故の問題だけではなく、日々の暮らしや生活についても綴った一冊。
→読みたいと思っている一冊です。
氏のブログ見たら、小沢一郎氏と並んでの受賞はちょっと待ってくれと焦っている様子でした。当然です。ほんとにもう、いくら権威のない賞だからって、他のジャーナリストの事を考えてくれないと~と思いました。
●石巻日日新聞
宮城県石巻市の地元新聞。自社の輪転機を津波で失い、印刷不能となった中、手書きの壁新聞により6日間発行を続け、住民への情報提供を続けた。
→すごいです。どんな壁新聞だったのか見てみたいです。
●今西憲之
フリーランスジャーナリスト。事故後の東京電力福島第一原発内部に複数回にわたって入り、事故の状況を「週刊朝日」などで発表し、いち早く世間に真相を知らしめた。
→すみません、知りませんでした。さきほどツイッターでフォローしました。誰か早めに教えてくれないと~
●神保哲生
ジャーナリスト。ビデオニュース・ドットコム代表。震災発生15分後には被災地に向かい、12日にはビデオを公開するなど、震災後いち早く現地からの被災状況を報じた。
→地震のあと、原発に意識喚起するツイートを最初に見たのは神保さんのです。震災後の情報発信と行動は迅速ですごかったですね。もっとも受け手であるこちらが「原発安全神話」に洗脳されすぎていて、的確に情報処理できませんでした。核兵器の仲間である原発のことは、ふだんから考えて知識をもっているべきでした…。
●鈴木智彦
フリーライター。東京電力福島第一原発事故後に作業員として潜入し、事故現場の状況をまとめたルポタージュ『ヤクザと原発』(文藝春秋)を発表。原発作業員と裏社会の実態も告発した。
→『ヤクザと原発』はかなりおもしろい本のようです。
●野口健
登山家。7月30日に原発20キロ圏内で置き去りにされた家畜の遺体の写真などを自身のブログ「野口健ブログ」で公表した。
→子どもはまだ具体的に被曝被害がでているわけではないし、でないでほしいけど、動物の場合はモロに事故の被害をこうむってしまいました。動物がどんな目にあったのかは、ヒトが陥っている状況のワンクッション手前に思います。助けの声を上げられない動物の打ち捨てられた姿は涙なしに見れません。
●早川由紀夫
群馬大学教授。地質学者として4月8日より「放射線汚染分布図」を自身のブログ「火山ブログ」で発表し、放射能汚染拡散の実態について告発した。
→日々の暮らしを営む人々を避難させる困難を知り抜いた氏の発言は、余人とは一線を画すものです。一見暴言だらけに見えても、常識的な警告が役に立たなかったからだと思っています。あと、例の地図はプリントアウトしてクリアケースに入れ、ごく初期の頃から我が家のリビングに。
●『被災地のこども80人の作文集 つなみ』(文藝春秋)
津波などで被害を受けた東日本各県の被災地の小学生から高校生まで80人の作文集。
→今度読んでみたいです。
●「friends after 3.11」(岩井俊二監督)
仙台出身の映画監督。震災後に制作したドキュメンタリー映画。小出裕章氏、鎌仲ひとみ氏、藤波心氏、山本太郎氏などへのインタビューと被災地の映像で構成されている。
→今度見てみたいです。
【報道賞(8件)】
候補一覧/あいうえお順・敬称略
●「朝日新聞『プロメテウスの罠』」
福島原発事故の際、実際何が起きていたのか。また、誰がどう動き、その影響はどう広がっていたのか。その事実をたどり背景に迫る連載。東日本大震災の約7ヶ月後の2011年10月から始まった。
→…うーーん、朝日新聞とってないからなあ
●「朝日ニュースター」
CS等を利用して24時間放送する朝日グループのニュースで、3.11前後から、広河隆一、広瀬隆、鎌仲ひとみなどの原発に否定的な識者などを出演し続け、原発容認の日本のメディア界に一石を投じた。
→朝日ニュースター、よい番組たくさんあります。
●「朝まで生テレビ!(元旦スペシャルin福島)」
あえて「フクシマ」に生スタジオを移すことで、福島の現状を訴えようとする試みを行った。1987年以来、多様な言論の場を提供し、自由な意見による討論の可能性を広く一般国民に知らしめ続けている。
→元旦は仕事だったので見れませんでした。ただ、YouTubeで部分的には見ました。
●「SPIGEL」(シュピーゲル)
ドイツの週刊誌。2011年5月23日号ではゴルドゥラ・マイヤーが「原子力国家」を執筆。オイルショック以降、日本が国をあげて「原子力国家」への道を歩んできた経緯を分析。福島原発事故後もなお続く原発利権の実態を報告した。
→これは、上杉さんのメルマガで読んだやつです。
●「DAYS JAPAN」
DAYS JAPANはこれまで広河隆一氏を中心として世界的な映像フォトの発表媒体としての場を提供し続けた。チェルノブイリでの取材経験を生かして、3.11後のフクシマ報道でも写真報道をリードした。
→最新号では、3月11日と12日の報道、状況、ツイートを、詳しく検証しています。
●「東京新聞『こちら特報部』」
東京新聞の朝刊に掲載されている名物コーナーで、記者たちが記者クラブシステムにとらわれず、自由に取材、編集し、記事化している。
→東京新聞といえども、政治部と社会部は記者クラブらしいです。早く脱会してください。
●「FACTA」
月刊の経済誌。オリンパスの「無謀M&A」問題をスクープし、その後のオリンパス報道の先駆的情報を提供した。
→ファクタ、ですか。今度見てみます。
●「吉田照美 ソコダイジナトコ」
文化放送のラジオ番組。東日本大震災後、原発の危険性を一貫して訴え続けた数少ないAMラジオ番組。MCの吉田とリスナーとの双方向のやり取りに重点をおいた番組つくりが特筆。
→自慢じゃ無いけど、わたしは吉田照美さんのデビューを知っていて、「セイヤング」(文化放送の深夜放送)で、がちがちに緊張して喋ってました。ところが次の回からは一転して面白い喋りになっていて。以後、毎週欠かさず聴いてました。「ソコダイジナトコ」わたしはほとんど聞けないのですが、車通勤の美術の先生が聞いていてよく教えてくれます。
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これ以下、「マイクロジャーナリズム」とか、いまいち用語の意味がわからんけど、投票行動に差し支えはなさそうなので、やっておこう。
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報告:カテゴリが増えるばかりなのでやめようと思ってましたが、今年もまた「2012年のジャーナリズム」というの、作りました。