地域自治に役立つSNSアプリの登場、待たれる

yahooみんなの政治

次回参院選挙から「ネット選挙解禁」になったという。ネット選挙についてはまず「Yahoo!みんなの政治 – ネット選挙解禁でできること」をチェックしたい。

さて、それとは別に、もっと個人が政治にアクセスしやすくなる、アクセスするだけではなく、自分たちの意見の代表者を自分たちで出しやすくなるにはどうすればいいのか。国政も大事だが、まず自分が住む地域のことを自分たちで決められるにはどうしたらいいのか? と考えずにいられない。

そこで思いついてしまうのがSNS、ソーシャルネットワーキングだ。
SNSといえばフェイスブックが有名で、実際あちこちの市が市政にフェイスブックを取り入れている。それがどの程度機能し活用されているのか、該当市の住民ではないのでよく分からない。が、あまり便利ではないと思う。その理由をいくつか列挙すると

  1. フェイスブックは一人一アカウントであるから、地域生活とクロスさせたくない面が出てくる
  2. フェイスブックの機能は交際相手をみつけるのに便利でも、既婚者にとっては逆に不便
  3. 顔出しが原則であるから、顔を見せていると地域密着であるがゆえ犯罪面が心配
  4. 意見を散発的に言うのはできても、その集約などに不便そう
  5. 自治体のフェイスブックなので、あくまで自治体からのトップダウン型の交流になる
  6. 過去にイジメを受けたなど、思い出したくない過去のある人はそもフェイスブックに登録しない

といった感じだろうか。
そう考えるとやはり、日本は日本で、独自に地方自治に役立つプログラム、アプリケーション、SNSを作ると良いと思えてならない。そこで似たセンを探すと、まちBBSというのがあり、これも良いのである。が、問題は匿名度が2ちゃんと同じに高いので、気分の悪いカキコを読まされることが少なくないことだ。これをもう少しフェイスブックに近づけた実名性をもたせたい。

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と思いながらiPhoneのAppStoreで『地域』『SNS』で検索すると、「Eyeland」というのをみつけた。カスタマーレビューにも「近所の人と一緒にご飯に行けて楽しい!!」とある。さっそくわたしもダウンロード。すると最初にIDを登録するのだが、その時にブラウザが開いてあれこれと警告文を読まされる。曰く「Eyelandは出会い系ではありません!云々」

出会い系かどうかも不安だが、地域型なので避けられないとはいえ、最初に位置情報を取得されそれがアバターとして表示されるのだから不安だ。そのためわざとずらした位置表示にしているそうで、確かにわたしも南西方向に100メートルほどずれた場所にいることになっていた。全部同じズラシだったら逆算でばれるので、変化させていると思いたいところだ。わたしがアクセスした時は近所に10人くらいがいた。知っている近所だからか、妙に親近感を感じた。ちなみにこの画像は「仙台」のもので、大都市なので大勢アクセスしている。

 

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←こちらは京都。タップするとニックネームが出てくる。
(ニックネームはわたしが黒地で隠しました)

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詳しい情報が出てきた場面。年齢、性別の下にもっと詳しい情報あり

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←福島県浜通りでもやっている人がいた!

で、呼びかけるとチャットができるし、あるいは、記事の投稿が写真とともにできる。

特に運営がイメージしているのは、<旅先に出たときに、当地の人しか知らない情報を、アバターに話しかけて教えてもらう>といったもののようだ。

それも楽しいだろう。うまくいけばコミュニケーションツールとして役立つ。ただし、やはり悪用する人の存在を頭から消すのは、ちょっと難しいが…

と思いながら、とりあえずアプリ終了すると、しばらくして「バッジ」が付いた。どうやら誰かがチャットを申し込んできたらしいのだ。ともかく確認すると、26歳の男性が「ムラムラムラムラ」とのこと。
これは地域SNSとして不適当だなと、断言せざる得なかった…。

普通にやっていると、このように出会い系に傾くか、あとは商業活動に傾くことになる。それではちょっと違う。
たとえば、自分たちの音楽を地域で聞かせる。ちょっとした屋台を開ける。育てた野菜や花を提供する。場所を提供してもらって行えるようなこと、あるいはその告知や感想の場。あるいは地域の中で誰が助けを必要としているか。助けを提供出来る人は誰か。もっとSNS的にアプリ的に合理的にかわゆく行える。それプラス、意見交換の場になる、会話やコミュニケーションの場になる、といったイメージだ。

それらを円滑に行うには、第三者の介入が必要と思われる。つまり、職業的に地域のSNSをコーディネイトしてくれる第三者だ。ネットが始まって十余年。どういう問題が起きやすいかは、大方判明してきた。同時に、地元や地域内での関わり、他人との接触を避ける力学と心理がどう発生するのかも、ある程度は知見が集まっていると思う。

知と機が熟してきている。
まずツールから。まず環境から。

と考えるのも有りだと思うのだ。