短編が4編収録されている。
- FINE DAYS
- イエスタデイズ
- 眠りのための暖かな場所
- シェード
まだ、FINE DAYSとイエスタデイズしか読んでいないけど、帯には「この作品はいい。すばらしくいい。」と書いてあって、そう書いたのは「文芸評論家 池上冬樹」さんで、「文芸評論家にしちゃあ、ずいぶん単細胞な誉め方するんだな」と思った。
FINE DAYSに関して、「この作品はいい。すばらしくいい。」という誉め方が当たっているのかどうか、それは分からない。
なぜ分からないかというと、駄作だったとか、つまらなかったとかではなくて、この作家の書く小説のフィールドについて、予備知識のないまま読み始めたので、「この話の流れは、ひょっとして小野ふゆみのような魔物系?」という先行きへの予測が生まれ、半分そのつもりになってしまったからだ。
読み終わって、魔物系とは違うことがはっきりした。
わたしは、魔物系はよほどでない限り好まないので、ホッとはした。
それじゃあ、何なのか? というと、分かりづらい。
分かりづらかったので、もう一度読むかもしれない。
ちなみに、「ラブストーリー集」となっているが、FINE DAYSは、それほどラブストーリーという感じはしない(広い意味ではそうだろうが)。
もう一篇、イエスタデイズに関してなら、「この作品はいい。すばらしくいい。」と、間違いなくいえる。
ぎゅううううっと、胸の切なくなる小説を、久しぶりに読んだ。
かなりひねった角度からなので、「愛している」「いない」と言い合うような、面と向かったそれではないが、ラブストーリーだ。
(3番目、4番目についてはまた今度)
出版社: 祥伝社 ; ISBN:4396632223