ケツメイシ「君にBUMP」

飛ぶ先はエキサイト

 80年代初頭のディスコブームを彷彿とさせるこのPVは、当時流行った映画、「サタデーナイトフィーバー」を同じく彷彿とさせるのだけども、80年代にディスコでかかっていた曲よりも、さらにテンポが緩くて、激しさがなく、まるで盆踊りのように老いも若きも楽しめる、やたらめったらあったかいPV、そして音楽に仕上がっている。

 80年代初頭にディスコなるものがアメリカから輸入され、ダンスは若者の遊びのひとつになった。しかしその後、バブルの時代を迎え、六本木ブーム(というのか不明)が起きると、ファッションも「ボディコンシャス」という、ミリ単位で体のラインを競う、オリンピック強化選手並の厳しさが課せられ、さらに、ブランドブームも重なって、フトコロ具合も競争のお立ち台に立つことになり、知らないうちに修行修行しているという、遊びなんだか、ストレス再生産の場なんだか分からない状況が長く続いた。

 そんなものが、本当に楽しかったのかどうか、わたしは知らない。知らないので無責任なことは言えない。きっと楽しい人には楽しかったのだろう。おおいに、「勝ち組」限定の楽しさだとは思うが。

 望めるなら、ケツメイシの「君にBUMP」が、一曲の音楽であることを超えて、根底で永続性のあるひとつのムーブメントになれればなぁと、思う。
 楽しいものは楽しくて、楽しさに虚栄はいらない。
 そういうことが、当たり前であれ。

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