ドイさんインタビューを一覧する

hydeインタビュー一覧表(2005年夏)(sukima作成)

インタビューを読んでの感想

今回のインタビュー群での大きなトピックは『AWAKE』のテーマには「反戦」が含まれている、というhyde自身の答えにあった。
しかし、反戦等のメッセージをもつ音楽に対してアレルギーをもつリスナーは多い。
その理由をここで考えるのは保留するが、何を隠そう、L’Arc~en~Cielのリーダーであるtetsuが真っ先にそうなのだ。
昨年3月にtetsuが出した『哲学。』という全69章からなる、インタビューに答える形で構成された著書の、その66章がそのものずばり「戦争と平和」というテーマで、その中でtetsuはこう語っている。

(信じ切っているファンにとってメッセージ性の強いものは一種の洗脳に通じるとして)
「僕のファンには自分なりの意見で、自分なりの考えをもっていてほしい」

「反戦だとかラブ&ピースだって言うことは簡単だし、誰でも言えることだし。それはもちろんそうに決まってるじゃんって。けど、この社会、世の中にはいろんなことがあって争いが絶えないわけで。戦っている人はみんな自分が正しいと思ってやっているわけだから」

と、最後は「あー難しいなっ!」で幾分和らげてはいるものの、かようにはっきりとした考えを述べているのだ。

hydeは『哲学。』を読んだだろうか。
ナゾである。しかし少なくとも、リーダーのこういう性向や考えの片鱗は知っていただろう。ということは、まっこうから対立するのをいとわず出してきた、ということなのだろうか。
そういえば、今回tetsuの曲は少ないし、B-PASSのインタビューでもおちゃらけた戦略的なことばかり話しているのを見ると、ここらへん、不協和音が鳴り響いているのではないかと、疑わせる。

とはいえ、詞を書き歌うのはリーダーのtetsuではない。
いくらリーダーがメッセージはイヤといったところで、歌う本人がこれでなくては全身全霊を込められないというのなら、もはや理屈ではなく身体反応レベルのことと思われる。

上記雑誌群でhydeは繰り返し、詞を書く姿勢が変わってきたことを語っていた。
思えば「どこにもないさ いくら見渡しても 確かなものなんて」と「あなた」で歌ったけれど、自らの情動のまま永遠や愛や誓いの言葉を歌ってきたことだけは、まぎれもない真実である以上、もう確かなものがどこにもない、とは言えない。

つまり、真実はもう「ある」のだ。
それは、詞を書く人間と書かない人間の違いかもしれない。
tetsuにしてみれば、手の中であたためて育てた雛が一人前になって、大空に羽ばたいていった心境ではないだろうか。
もしもそうなら、オロオロしていないで、どこまでも空に追いかけて行ってほしい。
こんな時に「前世占い」などしている場合だろうか?(バッハだとか何だとか)
答えは、前世ではなく、今生きているこの時間の中からみつけてほしいものだ。

と、すっかり苦言めいたことを書いてしまった。
tetsuのインタビューはいつも面白いから好きなんだけど。

これからどうなっていくか。

わたしがインタビューアーだったなら

記事群を読んでいて、自分がインタビューアーだったならこういう事を聞いてみたいなぁほわーん、と夢見体勢に入ってしまったので、愚問かもしれなくても、二三挙げてみる。

■今回の『AWAKE』もそうでしたが、あなたの声は男性性から女性性まで、自在に性の垣根を飛び越えます。女性のように歌っている時、あなたの内面はどうなっているんですか? やはり女性的になっているものなんでしょうか?

■『AWAKE』の中の「星空」は視覚イメージに満ちた曲です。あなたは将来、映画や絵画や写真などの視覚表現に向かおうという意志がありますか?

■視覚が受ける喜びを、あなたは人にも大いに与えていますが、そういった仕事(写真撮影など)は、あなたにとっても楽しみですか? (もちろんわたしはそうであってほしいと思っています。そうでなくては大変すぎるので)

それとも、ビジネスと割り切ったものなんでしょうか? あなたはカメラの前で何を思っていますか?

bluegreen
  • bluegreen