空中庭園 / 角田光代 | 携帯にて100%読了
2006年2月27日
意外と早かった。携帯を取り出したときについでに読めたせいだと思う。
なかなか外で文庫本を広げるのは抵抗があったりするし、わたしにはこのスタイルが合っている。
といっても向かない本もあるだろうなと思う。たとえばものすごく登場人物の多いややこしい企業小説とか、伏線の入り組んだミステリとか、先祖代々にわたる「ルーツ」みたいな小説とか。「前にも出てきたこの人誰だっけ?」と思っても、パラパラめくって確かめるのが難しいのと、電子文庫の「しおり」は二箇所くらいにしかはさめないからだ。
なかなか外で文庫本を広げるのは抵抗があったりするし、わたしにはこのスタイルが合っている。
といっても向かない本もあるだろうなと思う。たとえばものすごく登場人物の多いややこしい企業小説とか、伏線の入り組んだミステリとか、先祖代々にわたる「ルーツ」みたいな小説とか。「前にも出てきたこの人誰だっけ?」と思っても、パラパラめくって確かめるのが難しいのと、電子文庫の「しおり」は二箇所くらいにしかはさめないからだ。
それにしても『空中庭園』、この方法だと終わる必要がないくらいにどこまでも延延と続けられそうなので、もっと長くてもよかったくらい。
70近い祖母と27歳の女性の記述が面白かったけど、どっちも陰気なのと、世代差による変化があまりないのが、そんなものなのかもしれないとはいえ、惜しかった。いっそ祖母は一人の思考の中でも健忘が激しくて「それさっき回想してたじゃん!」とつっこみたくなる同じ記述が繰り返し出てきたらさぞや可笑しいだろう。(というか鬱陶しいよ。第一それじゃ筒井康隆)
この小説の中でいちばんぶんがく的なところは、コウが南向きの間取りを是とする思い込みに疑問を投げかけたところで、こればっかはいきなり言われても「それがどうかしたの? 南向きの方がいいに決まっているじゃん」とほとんどの人に言われてしまうのに対し、長く読んだ小説の人物が考えたからこそ、納得するものがある。
こんな家族ならまだうちの方がマシなのかなぁ…と思ったり、似ているなと思ったりした。
最後の章はけっこう笑えてよかった。