PARADE / スガシカオ

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1. 奇跡
2. 19才
3. 38分15秒
4. 斜陽
5. 夏陰 ~なつかげ~
6. タイムマシーン
7. RUSH
8. Hop Step Dive
9. 真夏の夜のユメ
10. 7月7日
11. 午後のパレード
12. Progress (Family Sugar Version) -additional track―

一枚のCDにはキャッチーだったりノリが良かったり、耳にやたらと心地よい曲が部分的に入っていて、どうしてもそっちばかりリピートしやすい。すると、聴く回数の少ない曲が出てくる。4の斜陽が最初そうだったんだけど、気が付くと一番スキかもなーと思っている。「守れない約束で ぼくらは傷ついていった」というフレーズが特にビビビときて。だって、守れない約束ばかりじゃない? 約束だけはあって、ユメだけは見たけど? 「ぼくが世界でただひとり 君を救えると思った / ばからしいって 笑われても… / ぼくらの思いだけは きっと永遠だと言った / それだけは信じていたんだ…」(同曲)信じて、そしてどうなったんだろう。何も永遠じゃなかったし、君を守れもしなかったんだろうな… でも、そう言ってくれただけで嬉しいよ、と、彼女は言うかも知れない。でも、たぶん言わない。でも、やっぱり言うかもしれない。
「夏」とか「午後」って言葉がある通り、若さ、やや大人、大人への移り変わりが季節の変化と重ねてある。8のHop Step Diveは、季節でいえば夏の少し終りで、「昔よりはちょっと マシな歌うたえるかな…」って殊勝すぎるし。それに「ヤミを食べて巨大化した カナシミを今ぶん殴れ」って、もうこの人本気なんだ、って思った。
11の午後のパレードは一番の売れ筋曲でCM採用だし、最高にのれる曲。でもよくよく聴いてみ? いったん「「昔よりはちょっと マシ」になった、と思ったけど、つまり昔の自分じゃないんだって思ったけど、本当はそうじゃなくて、ちゃんとした形で昔の自分が、本来の自分が帰ってきたんだって思うよ。だって、「警報を鳴らせ」だなんて。それに「嘘じゃないみたい ピース・マーク / ごめんなさいなんとかなると思っちゃう」だなんて。
12のProgressでは「 ぼくらは位置について 横一列でスタートをきって」っていうこの人定番の昔話が出てくる。でも今回は少し違って、「夢」も「未来」も生まれ変わった。もう誰かがつかんだ栄光とか、誰かが辿り着いた華やかなゴールを、夢見たりはしない。じゃあ何かというと、言葉としては「夢」や「未来」で同じだけど、ぜんぜん違うもので、誰も見たことのないもの。

他にあてはまる言葉ないから、同じ見かけをしていても、誰も知らないやつ。

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