昨日とおとついの続き

そういうことで、やはり朝は精神の健康を考えて、NHKを見るのをやめた。
かといって民放は、前も書いたとおり、占いとかセンセーショナルな煽りがイヤなので、あまり見たくない。ちなみに、NHKもニュースのヘッドラインを読み上げる時、いちいち煽ったBGMが入るので、報道をさりげにエンタメにするのやめてよね、と思う。
と、これほどダカツの如く「おはよう日本」を忌み嫌ってしまう理由は他にもあって、先日の憲法記念日の前に放映した憲法改正問題特集が、あからさまに、改憲(特に9条の)サイドに立っていて、ぜんぜん公正じゃなかったからだ。

その件は、後日あらためて考えるとして、そんなこんなで普通の地上波chはやめて、「朝日ニュースター」にしてみた。
この局は、今度の日曜に「安倍首相の指示で、集団的自衛権を研究する有識者会議が発足」という件について、再放送するので、観れたら観たいと思うくらいに、なにやらリベラルな雰囲気が漂うし、日々のsukimaでも何度か取り上げた局なのでいいかな、と思った。
難点は、時刻の表示が消えたり出たりすることなのだが、リモコンのメニュースイッチで画面上に表示を出せた。コレで安心安心と思いつつ観ていると、さすがに金がかかっていないせいか、おとなしく地味な雰囲気だ。アナウンサーもかわいくもなければさほどはキレイでない人が淡々とニュースを読んでいて、慣れてくると、地味すなわちシックということで、それもいいではないかと思える。そうそう、ニュースは娯楽じゃないんだから、それくらいでいいんだよね。

ところが、そのうち始まったのが、製作総指揮・脚本、石原慎太郎「俺は、君のためにこそ死ににいく」の宣伝で、ちょっとちょっと話が違うじゃん! とアゼン。宣伝といっても、コマーシャルよりはずっと長い、ちょっとした「番組」の体裁で、そうだな、「世界の車窓から」の3倍くらいの長さはあったかな。ナレーションが何か批評的なことやレビュー的なことを言うのかと思ったら、そういうのはまったくなく、純然たる宣伝。
こんな局にも、「右派・新保守主義」の魔の手は伸びているのか、と思ったらゲッソリした。
いや、それでもわたしは我慢した。石原サンはともかく、作り手たちが集まって作り上げ、何事かを表現しようとした作品なのだ。テレビ局で宣伝するくらいは、いいのかも?と思った。しかし見ていると、やけにこざっぱりした清潔ななりの若い男子たちが、明るく清らかに「これが最後のお願いです!最後のカツ丼作ってください!!ペコ」とか「僕の寿命の35年おばちゃんにあげるヨ!!ニコ」とか、なんか色々理想化空想化したみたいな白々しさ言っていて、「ヨン様風ならオンナに受ける」と変な学習効果を感じさせる爽やかさで、あとは「日本を代表する女優」の岸恵子の泣き顔アップ時間が長くて、長くて。こういうのを、正視していろと言うのだろうか。わたしは気恥ずかしくてお尻がムズムズ痒くなった。いくら日本の映画やテレビドラマが、客を泣かせることばかりに腐心しているのが現状とはいえ、特攻へ出向いた若者達を、こんなにアホっぽく描いてしまっていいのだろうか?

わかんないね、さっぱし。感じるのは、この世代の人間の最後の悪あがき的怨念の爆発。この世代は出兵するなどの戦争体験はないけれど、幼少年期に敗戦を体験し、脳および人格の発達と敗戦体験の消化が、同時並列進行だった。自分が直接戦場に行ったのならまた違った観念が形成されただろうが、そうではないため、理想と妄想と願望が入り混じり、勝手なことをほざく体質になった。さらに、自分一人ならどうにか整理できた敗戦体験も、小難しいことことばかり言うインテリ左翼系、どっからどう見てもカッコいいアメリカさんへの激しい愛憎、敗戦の記憶などどこ吹く風の楽しげな一般庶民と、取り巻く壁は厚く、どんどん顔も心もゆがんでいった…、と、思われる。

よくよく考えたら、それなりに気の毒な一面もあるが、わたしの父(同世代)とかに比べたら、ぜったい飢えてなくて好いモン喰ってたんだろうな…。
ともかくこの世代の行動は、これからますますタガが外れそうだから要警戒だ。このジーサンは特に

と、そんなわけで、しばらく我慢したら宣伝は終ったので、ホッとした。と思って気を抜いていたら、なんとまた同じものが最初から始まったのだ!! ぎゃあ。で、それも終ったと思ったらまたはじめから! ぎゃあ 
もともとケーブルテレビは、同じ番組を何度も再放送して時間を潰すので、再放送自体はめずらしくない。めずらしくはないが、こうまでぶっ続けでやるとは嫌がらせ? 石原の影響力はここまであるという証明? 深く考えると不気味過ぎるんだけど。

といったことで、いつになったらわたしは、穏やかにかつ活気あふれる前向きな気分で仕事に向かえるんだろう?
いっそ、ステレオでも買って、クラッシック音楽でも聴こうかな

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