田原総一朗サンっていったい何?
■田原総一朗の政財界「ここだけの話」 / 安倍政権の倒閣を企てた官僚たちの二重クーデター 2007年7月19日
ひょっとして世間じゃ「田原総一朗ってもとからそういう人だよ? 知らなかったん?」ってことなのかもしれないものの、わたしはこの記事を読んで実に釈然としない気分になった。この人は参院選投票日直前になって何を言い出しているのか?
安倍内閣は、小泉前首相ですらできなかった、いわばタブーである二つの改革をやろうとしている。一つは社会保険庁の解体と民営化。もう一つは、公務員の天下りの改革だ。これまで各省庁の官房長が握っていた天下り斡旋の権限を奪おうというのだ。
これこそが、今、安倍政権が非常に窮地に立たされている最大の原因だと思う。
そんなことが「安倍政権が窮地に立たされている最大の原因」だという認識なら、国民とか、その意思の反映としての選挙とかって何の意味があるの? 官僚世界のことなど一般人には知り得ないのをいいことに、ジャーナリストの特権を振り回しているとしか思えない。もしもそれが「事実」なら、最初から安倍政権の味方に立つなり、そのタブーに切り込むなり、国民にそこらの事情をアッピールするなりに、もっと熱心になっていればいいではないか。
「安倍政権が非常に窮地に立たされている最大の原因」は、ぜんぜんまったくそんなことじゃないと思う。原因はたくさんあるけど、ひとことで言えば、最初から総理大臣の器でもないのに無理無理総理になったから。年金が消えたのだって、小泉さんの時からわかっていたに決まっている。だけど誰も自分の時にその問題を出したくなくて、ていよく安倍さんの時に出したんじゃん? 安倍さんはあまりにオ○カさんであまりにボンボンだから、年金が消えてしまったことの重大性なんか理解できないからちょうどいいんだと思う。
そういう意味では安倍さんは気の毒な人だ。けど田原氏のように、自分以外のマスコミや国民の「安倍いじめ」を非難するなどアホらしいったらない。「安倍いじめ」なんかどうでもいい。安倍晋三は中学生じゃないんだよ? 何を平沢勝栄(安倍晋三の小学生時代の家庭教師で安倍サンを今だに可愛がっている好々爺)みたいなことを言っているのだ? こっちは年金が消えているかもしれないっていうのに。うちの息子は今年20歳になったんだけど、この数ヶ月で社保庁から「年金払え」の督促状が三通も来てやんの。あれだけの不祥事を起こしておいて何事もなかったかのようにバンバン送りつけるのだから、厚かましいったらありゃしない。
■国民はなぜ安倍政権を見放したか“かばいあい”自民が落ちたワナ 2007年7月5日
少しはジャーナリストらしく国民サイドに立ったことを言っているかと期待して、こちらの記事もチェック。
昔からの問題が今露呈し、安倍内閣の危機管理ができていないと、国民は不信感をもったけれど、実は問題はコンピュータのシステムとハードだとういことがわかっていなかったのだ。わかってきたら、これからどうすればいいのか。
いよいよ田原さんってズレている。誰も安倍さんの危機管理のせいだなんて思ってないよ。安倍さんが総理になったのなんかつい最近だもん、アリバイは成立している。
新聞などはなぜか書かないが、「サンデープロジェクト」や「朝まで生テレビ」で、これは社保庁のコンピュータの問題で、直接には安倍内閣の問題ではないのではという話になった。
なんか疲れてきた。これじゃあ「コンピュータの問題で原発事故おきました」「コンピュータの問題でミサイル発射」「コンピュータの問題で逆噴射」と、なんでもかんでもコンピュータの問題といっていれば許されるみたいじゃないか。コンピュータの問題は人間の問題じゃないのか? 田原さんは他マスコミの口をかり間接的に官僚が優秀な人材であると言っているが、こんなの社保庁の人間がいかにぼんくらの集まりかの証明じゃないか。
もともと東大を出て天下り目的で官僚になろうっていう志だからダメなんじゃんか? せっかく優秀なんだから、もっと大きなものや深いものを目指してほしいもんだね、知らないけど。
あと、だから安倍内閣の問題だとはいってない。いっているように見えるとしたら、安倍さんの、「管直人」に責任転嫁したときの情けない映像が有名になりすぎたせい。
■争点なき参院選に絶望した財務省若手官僚からの電話 / 2007年7月26日
でもって最新の記事が↑これ。数日前まで「社会保険庁解体と公務員制度改革」の重大性をもとに話をしていたのに、今度は官僚の持ち上げアンドいかに自分が官僚に慕われているかというコマーシャル。あっちにもこっちにもいい顔をしつつ、論点を集中させず微妙にずらしまくる手法。論点や争点は、立場が変われば何通りでも出てくるし、これが絶対に正しいなんていう答えがあるわけではない以上、無限に話を続けられるってわけ。
ついでに田原氏のプロフィールを見ると、
母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたっている。
とあるから、もうそっちに専念して、ジャーナリズムのトップ的な場所からはどいてほしくなった。こういう人の存在こそが、官僚制度を温存させているのではないかと、疑われてならない。1934年生まれなら当年とって73歳。政治家とジャーナリストがいくら定年とは無縁とはいっても、居座りすぎではないだろうか。
田原総一朗画伯が見せる<「政財官界」のネットリした油絵>はもう見飽きた。安倍政権が大敗したり、民主党が政権をとることがあっても、世の中が今より良くなる保証はないけど、誰かが新しい絵を見せてくれるなら、それも楽しいのじゃないかと思う。