祝:インド洋の海自部隊、撤収!
「テロ特措法」の本当の名前はすごく長くて、「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」(since2001年11月2日)という、読んでいると短時間でおそろしい眠気に襲われる、224バイトの長文だ。
わたしが勝手に名前を変えると、「2001・9・11にアメリカで起きた同時多発テロ事件の犯人オサマビンラディンらアルカイダがアフガニスタンに潜伏しているから罪もない一般アフガニスタン人が死傷する可能性大だけど構わず攻撃するブッシュwithアメリカ政府にゾッコンどこまでも付いていくため日本国の憲法に反しても兎に角自衛隊をインド洋に派遣するぞ法」(297バイト)(略してテロ兎に角法)
ということになる。憲法に反しているのにどうしてそんなことが出来たのか? というのが大きな謎の部分なのであるが、それには国連の安保理から持って来た屁理屈があるようだ。また、世論的にわりとスンナリ通ってしまったのは何故かといえば、ニューヨークで起きたテロの映像があまりに生々しく頭も心も混乱し、あれの犯人への復讐なら仕方がない気分に襲われつつ同時に時代病のような無力感に襲われたのと、ブッシュの勢いがすごかったからと、自民党に対抗する勢力がなかったから。
ということでいいのか100パーの自信はないものの近いと思う。一方、アフガニスタンへの攻撃に最初から反対していた人々もいた。いたけれど、数として少なかった。
でもってこのテロ兎に角法、本来は2年間しか有効でない法律だったのに、伸びて伸びて今まで続いていた。
それがようやく、民主党という、自民党以外の政党が力を持ったというのが直接の理由の第一かと思うけど、延長にはならずにすんだ。
しかし、何ゆえにこの法律の期限がこれ以上延びてはいけないのか、ということに関して、各メディアが説明しえているかというと、あまりそんな印象は受けない(全メディアを点検しているわけではないのであったらスミマセン)。ことに読売など、9月15日には「基礎からわかる『テロ特措法延長問題』」と題したまるまる1ページを、学習好きにして勤勉な日本人民向けに特集していた。それをわざわざ職場から切り取って持って帰る自分も勤勉な人民であるが、読んだら勝手なことばかりほざいていてムカムカすることこの上なかった。読売には攻撃されるアフガニスタンの人々への視点は皆無。給油作業をえんえんと6年間もさせられている自衛隊員への視点も皆無。テロがなぜ起きたのかなどという視点も皆無。アメリカ(やNATO)が行っている軍事内容への視点も皆無。あるのはひたすら、雄雄しくて猛々しいマッチョなアメリカにいかにご奉仕し続けるか、という話ばかり。
そうしてこの後自民党は、「テロ特措法」のような期限付きのものではない法律を、作ろうとジタバタし始めることに、なっている。
今後はその先行きと、自衛隊がインド洋から撤収したことで、アフガニスタンへの関心が薄れる、ということが起きないようにするにはどうしたらよいのだろうか? という点が挙げられるかと思う。