日本人だからできた

武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)

 前々回に紹介したビデオニュース、「日本のアフガン支援論争のどこがまちがっているのか」を見たので感想と、伊勢崎賢治氏の話について。

 アメリカのWAR PLANがOEFとSSRを同時に進行する、中村哲氏が言うところの「殺しながら援助する」やり方だというのを氏も間接的に語っていた。中村氏だけの話を聞いて(読んで)いた時にはその倒錯が当地の人にもたらす害悪について、ほんの少し疑う気持ちがあったのだけど、ふたりの日本人が言うなら信じていい、というか信じなきゃいけない話だと思った。つまり、それはまったくアフガニスタンの人々に受け入れられるものではない、ということ。同様に、小沢氏がどこまで本気か知らないが自衛隊を参加させようと言い出したISAFであるが、ISAFはOEFではなく国連が承認した「国際治安支援部隊」だからいかにも正義に見えても、PKOではなくNATOの統括する部隊であるためROEも違うという。

 そんな記号だらけの話し以前に、現地の人にとってはOEFもISAFも同じもので、夫や息子や肉親や友人知人を殺した相手の援助など、受けざるを得ず受けたとしてもどれだけ苦痛でどれだけ遺恨を次世代に残すであろうか。

 日本がひとり芝居のようにテロ特延長とかインド洋でもっと給油したい!!と騒ぎ出したため(例:安倍晋三がオーストラリアで喋った「職を賭す」)、美しき誤解(日本への好感情)が解け始めていることと、そのことによって、現地にいる100人以上の日本人(NGO関係者ら)がテロリストに狙われる危険が増大したことを、氏は心配していた。その部分はやはり現地を知っている人ならではの怯えのようなものを感じさせた。

 それでは何をすべきかと聞かれ答えた後半部分は、不謹慎ながら往年のアニメ『サスケ』を思い出した。「光あるところに影がある / まこと栄光の影に数知れぬ忍者の姿があった / 命をかけて歴史をつくった影の男たち / だが人よ 名を問うなかれ」。

 関連してわかりやすいブログみつけたのでリンク。●テロ特措法 現地からの声

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