Hurry Xmas / L’Arc-en-Ciel
L’Arc-en-Cielは四人組みのバンドであるが、今回はバンドの音にこだわらず、管楽器やアコーディオンやバイオリンの音をたくさん取り入れた。こういうの軽音楽というのか室内管弦楽というのかわたしには不明だけども、クリスマスらしい華やぎと賑やかさに溢れた正攻法で作ったクリスマスソングになった。クリスマスソングといえば、Wham! – Last ChristmasやMariah Carey – All I Want For Christmas Is You、日本では山下達郎「クリスマス・イブ」と不動の地位を築く曲がいくつかあり、ここ数年お仕事の関係で同じのを聴きすぎて食傷ぎみに陥っているので、そろそろ次世代のスタンダードナンバーが出てきていい頃かと思うが、もやは万人にとってのスタンダードナンバーなど生まれえる時代ではないのかもしれない。そうそう忘れていたけど、Happy Xmas (War Is Over) – John Lennonというのもあり、この映像は実にヘビイなものである。しかしこの時代以降さらに激しさを増す各地の戦況は、こういう映像すら平坦に感じさせる。それらのことを考えると重たくなるわけであるが、とりあえずクリスマスだからはしゃいでみようか、という方程式は一応成り立つ。歌詞はごくストレートにクリスマスソングで、メロディもいかにもクリスマスチックであり、そつなくこういう曲も作れるのだなと感心した。歌い方の特徴は一言「悩殺」モードということであろう。本日、Mステに出演して披露していたがなかなか人前で悩殺モードに入れるものではないらしく、いつかフランク・シナトラとかフリオ・イグレシアスくらいのモテモテ色男の貫禄が付いたら歌えるのかもしれないが、今現在の彼は若すぎるようである。そういった意味ではその前の出演のDayBreaksBellの時は、言いたいことの明確な歌なので、顔もシッカリしていていい顔をしていたように思う。とはいっても、そういう歌ばかり歌えない理由やニーズというものもあるのだろう。ともあれ、CDではボーカルの試みを堪能できる内容になっている。
I Wish 2007:さほど壊された感はなくキチンと仕上がっている。もとが良い曲なのでちょっとくらい下手なボーカル&楽器演奏でも聴けるということか? Hurryはテンポが速すぎるので、これくらいの方がクリスマスソングとして落ちついて聴けるかも。I Wishの入った『True』(1996/12/12)をまた聴きたくなった。