テロより怖い、医療問題。
ビョーキなアメリカ人にメスを入れる、世直しリアル・エンターテインメント。
オフィシャルサイトより

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マイケル・ムーア監督、「シッコ」の次は同性愛の映画?
→次回作は反ゲイ&レズビアンの右翼系のキリスト教信者たちの活動をターゲットにするそうだ

■sukimaから一言宣伝
今までアメリカの表面しか見えていなかった。アメリカの内蔵が見えてくる。DVDでも可だが、アルカイダが収監されているグアンタナモ米海軍基地に手マイクで乗り込むシーン等、やはり大画面でどうぞ

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この映画の前宣伝を見るまで不見識にして知らなかった「アメリカには健康保険制度がない」という驚くべき事実。

なぜないのか? 『Sicko』によれば、「健康保険制度は社会主義国的であり、そんな制度になったらお産のあとに麦畑で只労働することになる、とみなが思い込んでいる、もしくは思い込むようプロパガンダされている」から。

この映画は、アメリカ人が持つ(持たされている)いくつかの思い込みからの覚醒を促すべく立ち上がった、ドキュメンタリプロジェクトである。

映画の前半は、「NHKドキュメンタリーとさほど変わらないな」なんて思って観ていたが、後半になると俄然として行動の人になるマイケル・ムーア。この人の映画観るの初めてだけど、ムーアムーアと礼賛される理由も分ったような気がしたくらいに、ただの表現者とかただの映像作家みたいなものではなく、具体的な解決の一手を示す行動人なのだ。

であるから、自分自身(ムーア)を含めての映画作品であり、自分がその問題及びドキュメンタリ制作に関わったこと込みでのドキュメンタリである。

でもって内容である。
当方、エイリアンやマトリックス等のSF映画を好んで観てきた者であるが、このドキュメンタリはそれらに匹敵しかねないほどのSF感覚をもたらしてくれる。それは、人間とはここまで資本主義の鬼畜になれるのか、という(負の)サプライズ感覚だ。
アメリカの金持ちは、自分の金を減らしたくないばかりに、病人やけが人をいくらでも見殺しにすることができる。そしてそれをいくらでも美化正当化できる、という(負の)サプライズ。

道理でアメリカって日本に擦り寄ってくるわけだ。イギリスとかフランスとかはまともに相手していないんだろう。付き合いたくよ、そんな国。

映画は、アメリカの医療との比較対照としてカナダ、フランス、キューバという理想のような素晴らしい国を出す。
どうせなら日本も出しなと思ったものの、上記三つの国が、どんな医療を受けても自己負担額ゼロ円なのに比して、日本は三割は負担しなくてはならない。これはかなり大きい。まして、リハビリテーションの期間や産科が減らされるなど、いい話を聞かない。

とはいっても日本の医療は、アメリカの病院のように「金が払えないから」という理由で死にかけている病人を放り出すことはしないし、救急救命を必要とする人があらわれれば、いかなる事情があろうとも全力でその「命」を救おうとするはずである。アメリカなんかと一緒にされては困る。
(といったことをいつまでも言えていればいいが…)

しかし、逆に考えると、ダイハードだってターミネーターだってあの登場人物は健康保険加入なしであんな危ないことしていたのか、と考え直すと実に感慨深い。怪我して病院行ったら全部自腹じゃないか。
(いやフィクションの人物はともかく、アメリカ国民の多くは保険制度なくても生きていけてる。ただし助かる命でも亡くなっていることは多い)

ある程度は他所の国の出来事だと思って気楽に観てしまった。
このあと、どうなっていくのだろう。
ムーア効果はあるのか?! 要注目。

◆◆◆◆追記:日本の医療救急車たらい回しという事例も。小児科、産科、夜間救急、地方、で特に多くなってきた気がします。◆◆◆◆