海外ドラマ『秘密の森』全16話

秘密の森
内容を一部明かしているため注意!! 未視聴の方、5月10日から衛星劇場 で一挙放送。NetFlixではいつも観れます。

ドラマ情報

初回放送: 2017年6月10日
最終回: 2017年7月30日
演出:アン・ギルホ
脚本: イ・ソヨン
放送局: tvN  비밀의 숲
出演:チョ・スンウ、 ペ・ドゥナ、 イ・ジュニョク他。下に図を作ったので参照して

イントロ紹介

NetFlixに試しに加入した。観たかった『セッション』もあるしラインナップが充実している。

以前観た『私の少女』で ペ・ドゥナのファンになっていたこともあり、まずこのドラマを見始めた。
たちまち目が離せなくなり、一話から最終話まで数日かけて一気に観た。
ただ、かの半島ではさほど視聴率はよくなかったようだ。
おそらくその理由は、初回にある。
主人公のシモクは、子どもの頃に脳の「島質」を切除する手術をしている。
その部位が異常に発達しているため、わずかな刺激でも過度に反応し激しい頭痛に見舞われ、刺激を与えた主へ暴力をふるってしまうという問題児になっていたためだ。
手術を受けて症状は治ったものの、後遺症で感情をなくしてしまった。(「完全に」かは微妙で、そこが見所のひとつ)

感情がなくなったがゆえに判断のすべてが論理的、合理的となり、人の心を理解できない人になっていた。

物語のイントロは、だいたいここらの説明を映像で示していく。突飛な設定なので、理解するには時間がかかる。NetFlixのように何度でも見返せる環境でないと厳しいかも。ましてナレーションがいっさいないドラマ。
しょっぱなからシモクは冷酷無比な姿を見せる。殺人事件の容疑者が「自分はやっていない」と叫ぶのを冷たく無視した。その妻が泣き叫ぶのにも容赦ない仕打ちをした。背中に幼子を背負った、貧しい母親なのに。

初回はドラマの要領をつかむまでに時間がかかることを考えると、まだつかみきれていないうちに主人公の冷酷さを見せつけられ、うんざりした、というのはありそうだ。

が、それでいいのである。
ドラマとしては、そのおかげで強い牽引力のある面白いものになった。
その冷酷さは、検察や権力機構そのものである。
そのことは最後まで見れば理解する。
冷酷さを、期せずして体現してしまっていた、皮肉なシモクなのだ。

イントロ部を見返して気付いたのだけど、最終話で明らかになる殺人の動機の仕込みが、一話目にしっかりと入っている。殺人容疑(結局無実だった)で逮捕したカン・ジンソプは社会の底辺であえぎ苦しんでいた。その具体的な生活の場である貧しい町が映り込んでいる。
カン・ジンソプを逮捕してはいけなかった。
カン・ジンソプは抗議のために自殺した。

「ずいぶんと早まって死んでしまうのだな」というのが、わたしの最初の感想だった。
ドラマにはストーリーの都合で殺される、というのがよくあるため、最初はそれかと思ったのだ。
そうではなかった。カン・ジンソプが死んで抗議したことの重さを、ドラマは最後まで手放さなかった。

長いドラマだとエピソードがたくさんありすぎて、出来事からものの5分もたたないうちに忘却しそうなり、伏線として機能しないことがある。秘密の森は、ほぼ2,3分のうちにこまめに伏線を解消してくれて、その連続が大変にスリリング。特に魅了されるのは、シモクが何かに気付き、何かを思いだしたり考えるシーンだ。この時間の長さがいい。出会ったあらゆる人がいろいろな言葉を発している、その残響の中、シモクは何かに気付く。

出てくるあらゆる人がそれぞれ自分自身の個性をもって自分の生活を生きている触感があるのも、このドラマの醍醐味だ。

あと、第8話には、うちの国の巨匠の漫画家が引用されててさりげに嬉しかった。あの方がわたしたちに教えた大事な信念が国と時をまたいで生きてる!!

登場人物

登場人物が多い。それと、皆がいろいろな呼称をもつため、非常にややこしくなる。
おもな登場人物の役名と変化する呼称を、参考のために表にした。
(といっても、全部は捕捉できなかったので参考程度)

1.ドラマ中の名前
2.呼ばれ方
3.肩書きや立場

4.(役者名)
1.ファン・シモク
2.シモク、ファン検事
3.西部地検刑事3部検事
4.(チョ・スンウ 조승우)
1.ハン・ヨジン
2.ハン刑事
3.ヨンサン署強力係刑事
4.(ペ・ドゥナ)
1.ヨン・ウンス
2.ヨン検事/ウンス
3.西部地検刑事3部検事
4.(シン・ヘソン)
1.チャン・ゴン
2.チャン刑事
3.ヨンサン署強力3班刑事
4.(チェ・ジェウン)
1.キム・スチャン
2.キム刑事
3.ヨンサン署強力課刑事
4.(パク・ジヌ)
1.ソ・ドンジェ
2.ソ・ドンジェ/ソ検事/ソ
3.西部地検刑事3部検事
4.( イ・ジュニョク)
1.イ・チャンジュン
2.次長/チャンジュン
3.西部地検次長検事。のちに地位が変わるので呼び名も変わる。「次長」は最初の地位
4.(ユ・ジェミョン)
1.イ・ユンボム
2.イ/ユンボム/イ会長
3.ハンジョグループ会長
4.(イ・ギョンヨン)
1.イ・ヨンジェ
2.ヨンジェ
3.チャンジュンの妻、イ・ユンボムの娘
4.(ユン・セア)
1.キム・ウギュン
2.署長
3.ヨンサン警察署署長
4.(チェ・ビョンモ)
1.カン・ジンソプ
2.カン
3.ケーブルテレビの職員
4.(ユン・ギョンホ)
1.パク・ムソン
2.パク
3.殺人事件の被害者
4.(オム・ヒョソプ)
1.??
2.お母さん
3.パク・ムソンの母
4.(イェ・スジョン)
1.パク・ギョンワン
2.ギョンワン
3.殺されたパク・ムソンの息子
4.(チャン・ソンボム)
1.キム・ジョンボン
2.
3.ファン・シモクの中学時代の同級生
4.(ソ・ドンウォン)
1.ヨン・イルジェ
2.ヨン前長官
3.ウンスの父/前長官/収賄容疑で前職を追われた
4.(イ・ホジェ)
1.ユン・セウォン
2.ユン課長
3.西部地検事件課課長
4.(イ・ギュヒョン)
1.ヨンサン署強力係チーム長
2.チーム長
3.ヨンサン署強力係チーム長
4.(チョン・ペス)
1.
2.部長/ヨン判事
3.西部地検検事
1. クォン・ミナ/キム・ガヨン
2.ミナ/ガヨン/クォンさん
3.謎の女性
4.(パク・ユナ)
1.チェ・ヨン
2.チェ・ヨン実務官
3.シモクの検事室の職員
4.(キム・ソラ)
1.キム・ホソプ
2.係長/キム捜査官
3.シモクの検事室の捜査係長
4.(イ・テヒョン)

まだまだいます。
シモクのお母さん
テレビの司会者
ウンスのお母さん
警察に入りたての、青年警官
風俗店の店長
ソ検事の秘書?のふとっちょさん

英語だけど参照→ Stranger (Secret Forest) – AsianWiki