「憲法改正」を自分たち右翼団体が団結するためのネタにしている安倍首相
『令和日本の敗戦』を読んだら、考えるのが面倒になっていた「憲法改正」イシューの目鼻が付いた気がした。
なのでここにシェアしたい。
まずもって「憲法改正」は、安倍晋三という人が政界の中心に現れた2006年頃にネットやメディアを賑わせ始めた話題だ。わたしもその頃の不穏な空気に慌てて『日本国憲法』を生まれて初めて読み、自民の改憲草案と照らし合わせた。他にも、そのような衝動に走る人は多かった。それだけ不安にかられた、ということだ。
その後、いったん安倍晋三は政界から消え(入閣2005年。首相2006年9月から1年間)、ふたたび現れたのが2012年12月だ。(表)
そして自民党がまたまた改憲草案を作ったのが、時を同じくした2012年なのだ。→現物pdf html化
これだけでも安倍晋三と憲法改正(改悪)が切っても切れない関係にあるのが、わかるだろう。
で、どうしてこんなに切っても切れない関係なのか、という謎の答えが一つ。
そして、2012年以降の安倍晋三の憲法をめぐる動き、この二つが、本書が整理してくれた点であり、整理するばかりではなく、きちんと批判している。
批判は、9条を守る護憲的な立場からではない。
日本国の首相でありながら、日本国憲法を否定する立場のまま、のらりくらりと本気で変えるためのアクションをするではなく、憲法を変えたい一派(右翼団体「日本会議」)(変えたいというか、変えたいポーズを取ることで右翼っぽさを保っていたいんじゃないの?という疑惑をわたしはもったが)から権力を保障されあぐらをかいて、国民はじめ、自衛隊などもろもろをあざむいていること、だ。
二つめのポイントについて、本書からの知識をもとに、時系列に表にしてみる。参照URLは当方がざっくり選んだ。
いつ | 誰が | 何をした | 説明、参照URL |
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2012年12月から現在 | 安倍内閣 | 国内最大の右派団体「日本会議」のメンバーが7割もいる | ◆日本では報道されない政治の真実 – Buriki-yaテツの放言 ◆内閣 日本会議(画像検索) ◆日本最大の右派団体「日本会議」と安倍政権のただならぬ関係〜なんと閣僚の8割が所属(魚住 昭) | 現代ビジネス | 講談社(2/4) |
2014から2015年 | 多くの憲法学者 | 集団的自衛権の一部行使容認や、それに基づく安全保障関連法制について「違憲の疑いがある」と指摘。 | ◆なぜ私たちは安保法制に反対なのか / 憲法学者16人によるリレートーク | SYNODOS -シノドス- |
2015年 | 安倍政権 | 平和安全法制を強行採決 | 上記のような憲法学者の意見は黙殺した |
2017年5月3日 | 安倍首相 | 読売新聞に「2020年に改正憲法の施行」ということで、「改憲4項目」を発表 | 4項目 = 9条改正、緊急事態条項、参院選「合区」解消、教育の充実 |
2018年9月 (自民党総裁選投開票日近く) |
安倍首相 | 「自衛隊違憲論争に終止符を打つ」を冒頭テロップに入れた動画をツイッターに投稿。
「立党以来の悲願である憲法改正に取り組むときがやってきました。いまだに多くの憲法学者たちは、自衛隊の存在を憲法違反と言い、多くの教科書に合憲性に議論がある旨の記述があるという状況があります」by安倍首相 |
←安保法制を強行採決したときには憲法学者を無視したのに、憲法改正のためには利用しているサマがうかがえる。
第一、「自衛隊の存在を憲法違反」とは、誰も言っていない。自衛隊を一番侮辱してるの、安倍晋三 |
政府はこれまで「必要最小限度の実力」という枠の中で自衛隊を「合憲」と解釈し、いまも揺らいでいないはずだ。いま、自衛隊について「違憲かもしれない」と最も声高に公言して、「自衛隊員の誇り」を傷つけているのは、安倍首相その人ではないか。
↑↑ これ、ほんとうに、おかげさまで気づけた。安倍晋三の言うことがチグハグすぎて理解するの放棄してたけど、そういうことだったのだ。自衛隊を違憲だなんて国民の誰も思っていない。台風や地震ばかりの日本で、いざとなったら自衛隊が助けてくれる、だから安心して暮らせると、多くの日本在住の人々は思っているはずだ。冗談じゃないよ安倍珍ぞう。
「違憲の可能性」は集団的自衛権についてだけだし、どうしても集団的自衛権が必要だと考えるなら、どうして必要なのかを説明しないといけない。けれど安倍晋三はその説明はせずに、自分たち右翼団体の団結に酔いしれるためのアイコンにしてしまっている。
そして、えんえんと政権の座についている。
「憲法改正実現には安倍総裁4期目必要 麻生副総理」 > 第149回:2020年も憲法改正発議ができない3つの理由(南部義典)
その証拠に↑↑こんなのみつけてゾーーッとした。