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上のグラフ、最近あちこちでよく見かけるものだ。
この画像はgooの「母子家庭からみる日本の格差社会」から無断拝借した。
わたしの手元にある本、生田 武志著の『貧困を考えよう』にも同じグラフがあるので、解説にあたる部分をまるまる引用したい。

 家庭の経済力といっても、所得だけを見るのではなく、そこから引かれる「税金と社会保険料」、支給される年金などの「社会保障給付」を合計したものを見る必要がある(子どもなど収入のほとんどない人のいる家の税金を安くする「扶養控除」も一緒に考える)。これを「可処分所得」(実際に使えるお金)と呼ぶ。
  可処分所得=所得-税金-社会保険料+社会保障給付
 基本的に行政は、所得の多い人から多く、貧しい人からは少ない割合で税金をとるようにする(累進課税)。そして集めた金を「再分配」し、所得の多い人から少ない人にまわす(所得移転)。一つの例が「生活保護」だ。そして、この所得再配分の効果は、国によって大きく異なる。
 それでは、子どもの貧困に対する日本の所得再分配はどうなっているだろうか? それは、所得と可処分所得をくらべればわかる。
 グラフを見てほしい。日本だけ、所得再分配した後のほうが、子どもの貧困率が高いことがわかるだろう。つまり、日本は国の施策によって子どもの貧困を軽くせず、「悪化」させている、19カ国中唯一の国なのだ! これは、子どものいる家庭にとって、税金や社会保険料の「負担」が「給付」より大きいということだ。

 なぜ負担の方が大きいのかというと、社会保険料は所得の高い、低いに関係なくだいたい同じであること、所得税の最高税率が1986年の70%から現在の40%にさがったこと、そして「消費税」という誰にとっても同じ比率の税金が導入されたこと、を挙げている。
 そればかりではなく、政府は2002年、母子家庭への支援を児童扶養手当中心から自立支援へと大きく方針転換した。お金を支給するかわりに、職業訓練などを行って親の労働能力を高め、自立して生活できるようにというのだ。(詳細はここでは略)
 この年の改定により児童扶養手当を全額受け取れる所得が、年205万円から、130万円まで引き下げられ、母子家庭の半数近くが支給額を減らされた。(さらに、三歳以下の子どもがいる家庭では、給付開始から五年以上たつと、最大で半額減らされるようになった。が、それは現在母子家庭の当事者団体の反対で凍結されているという)
 この話は、母子家庭手当ての医療費補助や支給金額は?でも裏付けられる。といってもこれは平成19年度版なので、平成22年度版をさがすと、政府広報が鼻高々に<父子家庭にも「児童扶養手当」が支給されます!>と宣伝しているページをみつけた。確かに、父子家庭だって必要だ。父が働いている間誰かが子どもの面倒を見てくれなくてはならないのだから。だから、父子家庭も受け取れるようにしたことは、とりあえず良いとして…
 金額にいたっては、何も進歩はしておらず、年収130万円以下でないと全額支給されないというのだから、特に男性の場合、そうそう対象者がいるのだろうか?
 以上、とにもかくにも、母子家庭でも生保というセーフティネットがあるから大丈夫でしょとはとても思えない気分になってきた。
 さらには、上のグラフ。
 保険料をとってそれを再分配した挙句に逆効果じゃ、いったい何をやっておるのだ?
 こんなじゃ、役所の人間の労働力の無駄、という税金の無駄遣いも加わっている!!
 昼間テレビで国会中継をちょっとみたら、みんなの党の江田?とかゆうひとが菅総理にまたまた「企業献金」のことをバカにした表情で問い詰めていたが、いつまでそんなエルンストの階段みたいなどこにもたどり着けない話をし続けるのか??
 他政党をバカにするのを目的ではなく、喫緊なテーマにちゃんと取り組んでほしい!!!!