放射線被害への認識、その温度差。など

さっきネットをうろうろしていたら毒蛇山荘氏の文章が目に付き読んでみると、「昨今は誰も彼も、『原発、原発・・・』と騒いで」いるが、かの大東亜戦争の時谷崎はもくもくと発表のあてもなく『細雪』を書いていた、今の時代にも「俺は俺のやりたいことをやるだけ」という作家や思想家が一人二人はいてほしい、と愚痴を述べているのだが、そう思うのならご自分がそうすればいいだけのことで、それが読むべき価値のあるものなら、原発関連の話題でなくても読む人は読むはずだし、第一、読み手は別段東日本にだけいるわけではなく、福島から遠い人々にとって原発はそれほどは切迫した話題ではないだろうし、何も東京の読者にだけ読ませることはないのだ。

しかし、原発は毒蛇山荘氏が言うほどには単純ではない。トピックとしては「原発」の一言であっても、そこから飛散(もしくは流れ出)した放射線の有害性への認識は、人によって天と地ほど違いがあり、角度で言えば180℃、極で言えば北極と南極、水で言えば氷と沸騰したやかんの水蒸気…

少し前にラジオを付けたら、原発問題に早くから取り組み『核論』などを出版している武田徹氏というジャーナリストが出ていて、日本が原発大国にいたった道筋を説明していた。氏によると、まずもって不思議な点でもある「どうして広島長崎に原爆を落とされた日本が原子力エネルギーを始めてしまったか」という謎についても説明し曰く「被爆国であるがゆえ、ネガとポジが反転したようになった」。それを聞いてなるほどと思った。あと、わたしが勝手に付け加えるなら、原爆の開発研究は、帝國大學(現東大)もやっていた。しかし彼らはその競争に「負け」、日本が原爆を落とされた。帝國大學が原爆を作らなかったのは、もちろん「よい」ことではあるが、学問的には負けたことに違いがない。その悔しさを今だにひきずり、意固地になって「放射線なんか大したことない」と言い続けている。……昨今の東大関連の人の言うことを見ていると、そう思われても仕方ないほど意固地さを感じて仕方がない。多くの、東大にうらみなどあるはずもない市井の人が、放射線への不安を口にし、海外の人さえが警告し、しかも原子力エネルギー(の平和利用)推進派であるIAEA、もしくはICRPが警告したり勧告したりしているのすら軽視したり無視している姿を見ていると、要するに意固地になっているとしか思えない。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
東大の偉そうな学者にそう言われれば、多くの官僚や政治家などはそれを受け入れてしまう。

(まあ余談になるが)だからー男社会は駄目なんだとわたしは思う。男というやつは序列を作ったらそこに安住してしまう。序列が成立していなければやたらと競争したがるが、できあがったらそこでおしまい。だからー社会の男女比は5:5、それが無理なら6:4にまでもっていくようにし、なおかつ序列破壊は常に行われているべき。そのために単純な競争原理では駄目。なぜなら、女性は月のうち一週間は競争に参加できない(少なくとも3日)。こういうごく基本構造(をもつ女性)を大事することが第一であり、それができない男性は滅んでいただく。…などなどの持論を展開する機会をうかがっていたのだが、原発のせいでそれどころではなくなってしまったので、今ついでに言っておく。

今『人はなぜ逃げおくれるのか』(初版2004年)という本を読んでいる。p.30に、9.11の時、「救援のエキスパート」の言うことを過度に信じすぎたがゆえに世界貿易センタービルの64階から逃げ遅れ、亡くなったホーイ巡査部長らのエピソードが載っている。危機に関しては優秀そうなアメリカ人ですら、そういうことがままあるということだ。続けて著者は言う。「最終的に自分の身を守るのは自分自身であることを、しっかり自覚していなければならないだろう」と。

確かに、今度という今度は、ひしひしひしひしとそれを感じた。政府も、自治体も、世界のナンチャラ機構も、WHOも、国連も、誰も、この命、守ってはくれない。放射線の害についても、それは言える。しかしながら、子どもに自覚は期待できない。さらに、大人という大人がみな自覚をもち正しい判断をしていると信用できればいいが、そうは見えない。見えないどころか、真逆の事を行っている。

放射線の有害性に対する認識(暫定&私家版)

    安全度高
(危険度低)
安全度中
(危険度中)
安全度低
もしくは危険度MAX
行動 ■遠方への避難
■参照:小学校まるごと集団疎開支援プロジェクト(広島県)

■今後さらに状況悪化すれば海外移住まで視野に入れる(福島県に限らず、太平洋側東北と関東全域が対象)

■その時のためにも、世界に向けての情報公開は必須!!!!

■放射線検知器を使用し、地域の汚染状況を把握する
■高値の場所の除洗
■高値の物(土、草、芝など)をどかす
■どかした物の行き先を、政府、東電に考えてもらう
■子どもの通学路、校庭など、子どもの行動範囲を調べ優先的に放射線量を減らす
■各家庭でも、除洗の努力をする
■一人一台放射線検知器を持てるようにする
■何もしない
■放射線値が高い可能性のある茶園で茶摘みを幼児に行わせる
行動の根拠、メリット、デメリット ■大変である ■ふるさとにとどまれる。生計を営める。家族一緒にいられる。自尊心を守れる

■政府、自治体が一丸とならないと難しい。

■「心配しすぎ」などの、温度差の違いを乗り越えないと難しい

■30年間、油断はできない

■現在、自治体の長(福島県知事)らが、安全信仰にすがっている状態
何を食べるか 以下は、遠方避難出来なかった場合

■遠方で採れたもの。ペットボトルの水。

■水道水などは適宜セシウム量などチェックしながら ■海産物のプルトニウム、ストロンチウムなど調べもせずにバクバク食べる(現時点では、小魚が一番危険らしい)
■汚染された牧草を食べた牛の乳牛を、地元のために飲む
■地元の産業のために、子どもの給食に使用する
■地産地消
母乳 ■参照:東京で母乳から放射性物質が検出?茨城、福島、千葉でも ■何もしない
放射線に対する認識      
代表する主な人 ■子どもの健康を、最悪の事態を想定し、それを避けるために頑張っている人、福島県の親 ■同左。政府や自治体の情報を鵜呑みにせず、色々な情報を取り入れる人 ■現段階では
首相
枝野、細野?
文科省