ある朝のひとこま

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朝に仕事から帰って、朝ご飯を食べていると、一緒に食べていたタンタン(うちの長男。ニート。時々自営手伝い)が新聞を読み始めた。タンタンはなぜか新聞をよく読むという、どこか時代遅れな気風を持った子だ。しかも今日は、「筆洗」(一面にあるコラム欄)を読んでバカ受けしている。
何がそんなにおかしいのか聞くと、倒置法で書かれたその文章は前触れもなく「それ」と言い始め、あたかも万人に自明であるかの前提で書き出す手法を用いているとのことで、「いきなりかよー」とゲラゲラと笑っているのである。
わたしは日頃ブログで「マスコミ」批判などしているので、ちょっと複雑な気分になった。
けれど、タンタンが喜んでいるものをけなす理由もないので、「そお、おもしろそうだねー」と頷いた。
その後、わたしは朝ご飯を食べ終わって眠くなってきたので、自室に戻って寝ようと思った。
けれど皿を片付けて洗うのが面倒だ。
「あたしゃもう寝るからさ、この皿置いていっていい? 洗っといてくれない?」
と頼むと、
「うんいいよ。サラバー」
と、上機嫌にだじゃれを言う。
わたしも力の抜けた笑いがこみ上げた。
「そのしゃれはいい入眠導入剤になるなー」
と、ちょっと仕事関係用語も使いつつほめてみた。