COP26。平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5℃に抑えることを目指していくことが、はっきりと決議。

COP26はどうだったんだろう? グレタさんが「COP26は失敗」「政治家達のPR合戦」とこき下ろしていたので、ダメだったんだ・・・とガックリきていたのだけど。

28日の東京新聞に、COP26のことが書いてあったので紹介したい。
「脱炭素」が加速する 飯尾歩・論説委員が聞く

平田仁子さんと飯尾さんの話しだ。

もう一個、COP26閉幕:「決定的な10年間」の最初のCOPで何が決まったのか?by亀山 康子(社会システム領域 領域長)さんも参照する。

平田:平均気温の上昇を産業革命前と比べ1.5℃に抑えることを目指していくことが、はっきりと決議されました。世界が「1.5℃」に向き合った。本当にチャレンジングで、本当に大変なことですが、政治的なシグナルとしては、強くて前向きなものが発信されたと思います。

ということで、キーワードは1.5℃。
すでに、世界の平均気温は産業革命前と比べて1.1℃以上上昇してしまっている、という現実がある。
1.5℃目標を目指すためには2050年までに世界の二酸化炭素排出量を実質ゼロ&
2030年までに2010年比で約45%削減することが必要と言われている。
2019年以降、2050年実質ゼロを宣言する国や自治体が増えたが、条約の公式な文書の中には反映されていなかった、という。

それが今回、「向き合えた」、ということだ。

向き合って、じゃあ実際には何をするのか、ということだが、

平田:世界中で排出されるエネルギー起源の二酸化炭素(CO2)の約半分が石炭利用によるものなので(中略) 石炭に関しては「後回し」という選択肢はありません。急速に減らしていかないと、1.5℃目標、すなわち「50年実質排出ゼロ」の道筋に整合しないんです。

と待ったなし。キッキンとはまさにこの事。

ところが、日本の場合、これが遅々として進んでいない。

例にあがっているのが長崎県西海市の「松島火力発電所」。電源開発(Jパワー)が運営する一九八一年運転開始の超古い、非効率な石炭火力発電所。
電源開発(Jパワー)は「GENESIS松島」と中途半端なSFかぶれ発想で、名前だけゴテゴテ飾り立てているが、二酸化炭素排出量が減っているわけではない、という。

いったいもう国は何を考えているんだ!! と検索していたら、岸田総理大臣が会見で答えているのを発見してしまった。

岸田さんはながなが喋っているが、「石炭」でページ内検索した。
全文読む必要などはない。ちゃっちゃかちゃっとやってしまいたい。
1.5℃目標のためには時間がないのだから。

と焦ってたら、おなじみビデオニュースドットコムの神保さんが質問者だった。

曰く。

各国の報道を見ても、日本の石炭火力を2030年以降も維持しようとしていることに対しては、非常に厳しい指摘が挙がっています。
(中略)
前菅政権下で閣議決定された新しいエネルギー基本計画、これが2030年でもまだ19パーセント石炭に依存するということをうたっているわけですが、グラスゴーの結果を受けて、変更されるお考えはあるかどうか。

それに答えて

(岸田総理)石炭火力に対する厳しい目があるということ、これはしっかり受け止めなければならないと思っています。
 石炭火力につきましても、日本としては地域の様々な事情に配慮した上で、アンモニアですとか、水素、最新の技術をしっかり活用することによって、こうした石炭火力の負の側面をしっかりと抑えていく、こういった方針についても説明をさせていただいたわけですが、こうした技術に対する説得力もよりしっかり高めていかなければ、国際社会の皆さんの十分な理解にはつながらない、より努力しなければいけない点ではある、こんなことも感じてまいりました。全体として日本の取組が評価される、こうした結果につなげていくよう、努力は続けていきたいと、このように思っています。
 以上です。

はい、そしてもう一押し

(記者)
 基本計画の見直しまではないということですか。

(岸田総理)
 今の方針は、既に明らかにしているとおりであります。この方針をしっかり進めていき、なおかつ、先ほど言いました最新の技術等を活用することによって、より理解される結果につなげていく努力は続けていきたいと思っています。

って、ことで、石炭火力発電をやめる気はない、と宣言している。

ここらへんのことは、飯尾解説委員さんにも聞いて貰いたかったことで、横浜かどこかに新しい石炭発電所できてたけど、やはり、岸田さんみたいなことを言っていた。

「新しい技術でやるから、石炭たって、CO2出ないんだ、日本の技術すごいんだ」の一点張り。

岸田さんは「こうした技術に対する説得力もよりしっかり高めていかなければ、国際社会の皆さんの十分な理解にはつながらない、より努力しなければいけない点ではある」と、説得力で頑張る気になっている。

グラスゴーで説得力なかったということは、二酸化炭素排出量という点でもデータがダメだった、ということじゃないのか。

ちなみに上記亀山さんによると石炭火力は

例えば、石炭火力発電所の全廃については、2017年に英国とカナダの主導で始まった「脱石炭火力連合」という国際連携が出発点でしたが、加盟国の増加を踏まえ、「先進国は2030年に廃止、途上国は2040年に廃止」「石炭火力の新設を行わない」などの声明が発出されました。

自動車に関しては、「世界の全ての新車販売について、主要市場では2035年、世界全体では2040年までに電気自動車(EV)など二酸化炭素を排出しないゼロエミッション車とすることを目指す」という内容に20を超える国や企業が合意しました。

森林に関しては、未だに世界全体では森林面積の減少が続いているため、「その減少傾向を2030年までに止め、回復に向かわせよう」という声明が出され、100か国以上が賛同しました。

メタンガスを2030年までに2020年比で30%削減する「グローバル・メタン・プレッジ」を欧州連合と米国が中心になって呼び掛け、世界100か国以上が賛同しました。さらに、米国と中国が共同で声明を発表し、排出削減に向けて多様な部門において二国間で協力を進めることや、2025年までに2035年の削減目標を提示することを宣言しました。

 現在、各国の削減目標を足し合わせても1.5℃には不十分なのですが、これらの全ての自発的な声明が実現すれば、2℃を下回る可能性が見えてきました。

「各国の削減目標を足し合わせても1.5℃には不十分」だからグレタさんも怒るわな。
ていうか、なおさら全部やって、石炭もやめないと!!

石炭火力。

当然ながら、地域の労働者のことを考えたり、地域の経済を考えたり、今まで石炭のためにがんばってきた人のことも、考えないと。

考えて考えて考えないと。

これに関しては、平田さんも各国の例をあげつつ話している。

#公正な移行(ジャストトランジション)

と、言われているらしい。

石炭火力は、世界中で使われてきた。

それをやめていく苦しみは、日本だけじゃないのだ。

ありがとうありがとう石炭。そしてさようなら。と見送ってあげようではないか。

イラストの説明
画像は、「ガイコツが石炭火力発電所の煙突をプカプカふかしている」コラージュ。コラージュには「松島火力発電所」のを使わせていただきました。
石炭火力および二酸化炭素排出は、人と未来の子どもたちと生き物たちのために、副流煙どころじゃない悪となってるよ、という念がこもっています。

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