4/13の私が総理大臣になったら…秘書田中。

ぽぽちゃん なりきりごっこ遊びのお道具 病院に変身 ! 救急車

■4月13日は2時間スペシャルということで、マニフェストは「70歳以上は医療費をタダにします」(BYえなりかずき)と、「アメリカとの同盟関係を一旦白紙にします」(by太田光)の豪華二本立てだった。

なんでも、えなりかずきのおじいちゃん?かおばあちゃんが70歳以上で、医療費を無情に取り立てられているのを見て、怒りに燃え立ったようだ。えなり氏は複数のフリップを駆使し熱弁をふるっていた。まーそうはいってもわたしのばあい、520万円も年収があるなら、いいじゃん?2割負担くらい?と思って見てたけど。

それを、思い直す要素があるとすれば、戦中戦後を生きた人たちの年齢がちょうど70歳以上くらいだし、わたしの父が先日自伝(自費出版)を送って寄越して、読むとそれはもう本当に過酷な飢えの時代を生きて、苦労に苦労を重ねている。そういうのを考えると、国は無駄な支出(天下りとか)を抑えて、全額只にして当然かと。

しかし思うのは、いったいなぜ、人は病気になるのか、ということだ。第2秘書の山本モナがいみじくもみずからの取材体験を披露していた通り、年寄が病院に行く理由のひとつは、外来の待ち時間中の人との有言無言の交流にある。ひととき孤独を癒す貴重な空間が病院の待合室なので、それを奪うのは酷であり、そういう役割が治療以外にも病院にはあるのだと言いたい山本モナだった。

わたしの場合は取材じゃないが、18歳の時はすでに病院で働いていて、しかし山本モナほど優しくなかったので、さしたる病気でもないのに外来で大勢待っているお年寄りを見て、「ったく、ただでさえ時間オーバーなのに、ヒマな老人が大勢来るからいつまでたっても終らないじゃない」と、腹立たしく思ったものだ。そこへベテランの先輩が言うには、「あの人たちにとっては、病院がサロンだからねぇ。」なるほど、家族にも相手にされず、これといった友達もいない孤独な老人というわけだ。であるから、わざわざ肘が痛い、腰が痛い、夜中に咳が出る、寝付けない、などなどの客観的に証明しづらい主観オンリーの症状を訴えに来院するのである。しかも、病院なら「話し相手が欲しい」という寂しい本音がバレずに交流できるというメリットもあるし、病院であるから堂々とテンション低めでいられるし、愚痴っぽくなっても無理もない状況であるしと、色々と都合がいい。これが、正式な老人会のような集まりとか、行政が仰々しく建てた「生き生き広場100までゴーゴー」みたいな、ことさら生き生きしていなくてはならない空間だったら、気が重くなって足が遠のくのも無理はない。
やっぱ病院、なのだ。

問題は、なぜ年寄りはそんなに孤独なのか、そして、本当のニーズを満たす場所がなぜ病院以外にないのか、ということだ。
えなりさんはフリップで、イギリスの高齢者の医療費が無料なのを教えていた。それに対し、イギリスは只は只でも、医療を受けるまでの手続きが大変でしかも限定的なものだから、そんなに夢みたいなものではないと、反論している人がいた。
そうかもしれないと思いつつイギリスで思い出したのが、日本人でイギリス作家カズオ・イシグロの『日の名残り』だ。
あれの主人公スティーブンスは人生の全体にトンチンカンに失敗したような人なんだけど、それなのに、最後の方で緩やかに逆転する。そのきっかけは、旅先(ウェイマス)の夕方、桟橋の上である場面に出会うからだ。

 ベンチのすぐ後ろに、六、七人の一団が立っておりまして、私はこのグループに興味を引かれました。最初は、これから夜をいっしょに楽しもうとする友達どうしかと思いましたが、そこで交わされている会話を聞いておりますと、どうやらそうではないようです。信じられないようなことですが、ベンチ後方のその場所で足を止め、そして歓声にともなう一時的な興奮のなかで、そのまま言葉を交わしはじめたということなのでしょう。いま、ここから見ておりますと、じつに楽しげに笑い合っております。人々が、どうしてこれほどすみやかに人間的温かさで結ばれうるのか、私にはじつに不思議なことのように思われます。

どうしてすみやかに人間的温かさで結ばれるのか、そのキーは「ジョーク」であり笑いなのだけど、品格にこだわりすぎてジョークなど言ったことがなく、旅に出たことすらないスティーブンスには、全部が驚きなのだ。スティーブンスってなんだか日本人に似ていると思う。日本人は、人との交流を難しくしすぎてしまい、言いたいことを言わず、人と調子を合わせてばかりで、好意で出したお茶菓子にすら返礼の義務を感じて、何も喜べないし、押しつぶされる。そんなだから、人づきあいが億劫になって、しだいしだいに、生きる気力が萎えていく。

マリオネット 兵隊/お巡りさん

■つづく「アメリカとの同盟関係を一旦白紙にします」では、Noといえない、実はYesともいえない日本という国についてで、これも前の医療費の話と通じている気がしてならない。

今回、太田さんの天敵石破さんがまたもや登場し、防衛庁が省になったせいか、以前よりみょうに余裕シャクシャクの風だった。けども、彼の話はどんどん単純化されて、要は、「北朝鮮が攻めてきた時に、誰が守ってくれるのか、アメリカしかないんだよ」というあたりをグルグル周回して、なんかもう、その程度の男だったのかと、見ていてイライラしてくる。

いったい、北朝鮮ってそんなに軍事的に脅威なのか? 軍事ニュースさんがよく書いているけど、北朝鮮なんてウラン濃縮すら成功していないらしい。ウラン濃縮(核弾頭作るのに必須)には、ものすごい電力が必要だが「北朝鮮に水力ダムや火力発電所の新たな建設、または送電線の新たな建設が確認された施設はない」のである。なのに仲良しこよし日米は、共同図上演習を今年行って、「北朝鮮のミサイル攻撃を日米がミサイル防衛システムで防御するシナリオ」で実験してみたり、そのあげく勝手に、「北朝鮮が数日間に撃ったミサイルは計150発で、その約1割が着弾し、日本側の被害がみるみる拡大した」ってことにしてみたり、さらにさらに、その演習後、「防衛省幹部は『やはり、守るだけではだめで、北朝鮮のミサイル基地発射基地を攻撃しなければ駄目だ』」と、変にノリノリ。

精度の高い核ミサイルを作ることは、科学的技術的経済的にものすごく難しいのだ。それに、文藝春秋でずっと前読んだけど、北朝鮮は科学者のことなんか別段優遇していない。ちょっとでも逆らえば何ヶ月も「反省文」を書かせる。何年か前に大きな飢饉があった時も、知的エリートだからといって優遇したわけではないので(優遇の価値は自分だけの金正日なのだろう)、規律に忠実な科学者からどんどん死んでしまったそうだ。今残っているのは、融通をきかせて食料を調達できた少数の科学者だけだとか。

そんな北朝鮮の何が敵なんだ?
拉致の問題が残っているとはいえ、金正日以外で考えれば、ほんとうに不幸な国だ。
日本は、北朝鮮の自称核実験への経済制裁として、マツタケやアサリやウニなどを輸入禁止したけど、対する北は先月、中国産といつわってアサリ60トンとシジミ16トンを無理無理輸入しようとして、海保につかまったりと、悪戦苦闘なのだ。

北朝鮮を、自分達の軍備のためのていのよい口実にしていないで、石破サンも、もっと真面目に考えてほしい。でないと、変なふーに、歴史に残りますよっ

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