『日本の外交は国民に何を隠しているのか』という本
それで真面目なわたしは、もう少し参考になる知識を得たいと『日本の外交は国民に何を隠しているのか』という本を、「暗いニュースリンク」のリコメンド欄で見たので、買って読んでみた。この本に書いてあるの(の一部)は
- 日本人が思い込まされている以上に、日本は国連に対して大きな影響力をもっている
- そして日本政府やおもに外務省は、国連の法律(とくに、戦争に関する決め事である安保理)と、日米安保(日米間の戦争に関する決め事)の両方を、その時々で使い分けて世論操作している
政治家の場合ならまだ、選挙という人気取りで勝ち抜かねばならないため、自分の考えや公約を打ち出すわけだが、官僚にはそういう縛りがないだけに、また、衆人環視の目が届かないこともあって、裏でこそこそ実にたちが悪い。
この本は、そんな外務官僚についての本だから、物語性には乏しく、直感的に理解するにはねじれていて、説明困難な内容であるものの、事実を緻密に積み重ねていて、だんだんと、じわーっと怖さを感じてくる本となっている。
でもって驚いたことに、この本(2006年4月初版)の52ページに書いてあった、ブッシュのセリフが、石破氏のセリフにそっくりだった!
米国政治が民主的である以上、その民主制に直接関わらない国外の意見は、国内世論に比べると圧倒的に小さい影響力しか持たない。しかし、世論の支持が低下した場合には、国際的な批判が大きな意味を持ってくる。そこでブッシュは次のように言わなければならなくなる。「我々は孤立していない」と。そして、「我々のイラクでの任務を国際化すべきだとの批判がある。このような批判は、イラクに軍隊を派遣している我々のパートナーである、英国、オーストラリア、日本、韓国、フィリピン、タイ、イタリア、スペイン、ポーランド、デンマーク、ハンガリー、ブルガリア、ウクライナ、ルーマニア、オランダ、ノルウェー、エルサルバドル、その他17カ国、どう説明するか」
ブッシュは、9・11のあと国内世論に支持されているうちは、他の国や国連など無視して戦争を始め、2003年3月頃から支持率が下がると、参加国の多さ(=国際的な理解、普遍的な正しさ、ということにして)すなわち数の力を全面に出して正当化し始めた。
こうやって、国の名前を次々に出し、それ以外には何もないというの、まさに石破氏がやっていたこと(というか、氏の方が真似したのだろうが)と同じだ。
でもってさっき「軍事ニュース」を見たら、テロ特措法の延長に反対していた小沢一郎が、ISAFになら自衛隊を派遣していいと、言い出していると伝えていて、愕然とした。
アフガニスタンにはもう安全な場所は残っていないから、ISAFに参加するなら武器を持たなくてはならない。もしもそうしないで参加させるなら、日本政府および防衛省は殺人者の集まりになるだろう。けれどそれは、憲法をなしくずしにすることである。先ほど紹介した本で知ったばかりの知識であるが、自衛隊が存続していられる根拠は、国内憲法よりも国連の安保理の方に多くある。だから、国連をどうにか動かそうとするのかもしれない。(日本には経済力をたてに、それくらいやりかねない力はある。先日も「謝意」なんかを入れさせていたし)
非常にいやな考えで浮かぶのは、自衛隊の死者数のカウントをもって国家の威信としたいのかもしれないということだ。
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このあとまた仕事に行かなくてはならないのでここまでだ。
先日同業種の者が巡回中に刺殺された事件を受けて、体制がまたまた急きょ変更になった。
「人が死ななきゃ変えてくれないのか」と思うと、人の愚かさをしみじみ思う。
先ほどの本には、大変に興味深いことが書いてあった。
ブッシュたちの信仰するキリスト教原理主義?は避妊を強く禁じている。
一方国連は、安保理に限らずさまざまな問題に取り組み、ことに人口問題に取り組む一環として、避妊を強く推奨している。
(世界時計によれば現在の世界人口は6,622,445,145人(今日の段階)。この数字はみるたび膨れ上がっているもので、去年の8月には65億3千万人だったのが、1年で1億人増えている)
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