インド洋にイージス艦はナンセンス、の巻
お気に入りのニュース番組「ニュースの深層」(ケーブルテレビとかスカパーで見れるチャンネルの)がデジタル放送で一本化されたため、デジタルチューナーを買う気のないうちは見れなくなった。大変に残念な話だなぁと思っていたら、似たような番組といっては乱暴であるが、ネットでも見れるジャーナリズムというのがあることを知った。これならテレビと違って時間を規定されないから、わたしとしてはこっちのが歓迎だ。さてあとは内容と価格であるが、月額525円は安いのか高いのか? どっちであろうか?
■ビデオニュース・ドットコム
自衛隊はインド洋で何をしているのか
ゲスト(part1):田中浩一郎氏(日本エネルギー経済研究所中東研究センター長)(92分)
ゲスト(part2):神浦元彰氏(軍事ジャーナリスト)(58分)
テロ特措法や自衛隊派遣がいいのか悪いのか考えようとしても、アフガニスタンがどうなっているのかが分らなければ判断できない。それに自衛隊の人がどう思っているのかも気になるところだ。(といっても多分彼らには何も言ってはいけない規則があるのだろうが)
part1も2も、あまり知ることのできないアフガニスタンの情勢と、インド洋の様子を伝えるもの。そうそう、先週の「太田総理」で猪口氏が自衛隊がインド洋にいる意義を「テロリストの海上ルートの封鎖」なんて思いつきっぽいことを言ってたわけだけども、part2で神尾氏が伝えるには、インド洋はいたって平和な海で、テロリストなんかちっとも現れないそうだ。思えば彼ら、自爆テロ以外にこれといった武器がないのだから、悲惨なことこのうえない。
神浦氏の話で印象的だったのは、「後方(支援)だから安全ということはない。逆に後方だからこそ狙ってくる可能性がある」ということ。
もうひとつのpart1は非常に長いもので、アフガニスタンの情勢を詳しく教えてくれる。まずこの6年間で一応民主的な選挙というのを行い、議会と民主的な政権はできた。ただし、情勢が良くなったのかというと、「あやしい」と。あと捕まえるべき敵は「パキスタンに逃げた」+パキスタンが養っている可能性。財源はいろいろあって麻薬や支持者の寄附などなど。アフガニスタンの人々の反応はどうなのかというと、これは一概に言えず、ズルく立ち回って美味しい思いをしているのもいれば、困窮しているのもいると。ただし、中村哲氏が取り組んでいるような、あるいは訴えていたような、旱魃関連のことや空爆による死傷者の話はほとんど出てこなかった。
また氏が言うには、OEFが今すぐアフガニスタンから撤収すれば、やっと作った民主政権が崩壊するのは目に見えているため(理由は旱魃とタリバンが戻ってくること)簡単に引き揚げることはできない。それはアフガニスタンを「見捨てる」ことになる。他にも詳しく語っていた。とはいえ、やはりひとつの結論は、6年経っても対テロとしての成果はなかった。
光明の見えてこない話である。そんな中余談ではあるが、ここでの解説委員の宮台氏が自分の持っていきたい答え方向に田中氏を誘導するのは、なんとかならないのか。「ただ乗り平和主義のつけ」とか言うけど、ただ乗り平和主義がかっこ悪いからとOEFにのっかったけど、何にもならなかったという話しを、最初からしている。田中氏は、わざわざ自衛隊とは結び付けていないけど(世界の中心は日本ではないのだし)この6年間の活動の成果は「あやしい」と言っているのだ。
伸び伸びしているのは結構だが、感じが悪すぎるし、こういうインテリ?のトップにいる人がこんな態度だと、関連議論がセクト化するばかり。ちょっと気の弱い人や自信のない人は撤収するしかない。
ていうか、単に「こういうもんだよ」ってことなのかな。
追記:タイトルの「イージス艦」の話は本編(Part2)でどうぞ