book 10 8月 2009 夜想曲集 — 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 — / カズオ・イシグロ ≪感想文連載第1回≫ この本を最初にみつけたのは、6月の終わり頃だった。 たまには買い物でもと、駅前まで行った日。 駅前の本屋「ビギニング」に寄ったらすぐに、平積みになっているのをみつけた。 その時は「イシグロの新刊出てる!!んな話し聞いてないよー」と、一瞬ものすごく嬉しくなってすぐに買おうと思った… 続きを読む
book 5 3月 2009 現代帝国論 / 山下範久 今かなり頭が痛い。読んだはいいけどさっぱり分らなかったからだ。けど、せっかく読んだものはレビュウを書きたいという欲求は捨てがたく、オノレの欲望と「わかんねー」という現実の間で引き裂かれ脳が悲鳴をあげている。ここを一歩間違うと個人的に無気力へ陥ってしまうので、何でもいいから書いてしまう、ということで乗… 続きを読む
book 2 3月 2009 私の男 / 桜庭一樹 私の男は、ぬすんだ傘をゆっくりと広げながら、こちらに歩いてきた。日暮れよりすこしはやく夜が降りてきた、午後六時過ぎの銀座、並木通り。彼のふるびた革靴が、アスファルトを輝かせる水たまりを踏み荒らし、ためらいなく濡れながら近づいてくる。店先のウインドゥにくっついて雨宿りしていたわたしに、ぬすんだ傘を差… 続きを読む
book 20 1月 2009 チェーン・ポイズン / 本多孝好 今年の正月はとてもいい正月だった。ノンビリと家族と過ごせた。その最大の理由は、家族の中にあったいろいろな誤解や感情の行き違いが解消されて、穏やかな気持ちを取り戻せたから。だから三が日のうちに近所へお参りに行って、帰りに安いファミレスでどんどん注文してたらふく食べて、もちろんわたしは赤ワインをデキャン… 続きを読む
book 8 1月 2009 風花 / 川上弘美 以前感想を書いた川上弘美の小説は『真鶴』で、約1年前だった。『風花』は川上氏の出版物として『真鶴』の次作で、タイトルが同じく漢字二字であるあたり、大きく志向が変わったのではない印象で、そこらの安心感を抱きつつ読んだ。 (さらに…)… 続きを読む
book 24 10月 2008 アジアの岸辺 / トマス・M・ディッシュ , media:単行本 ネットで知った本。知ったのは同作者の『キャンプ・コンセントレーション』なんだけど、サンリオSF文庫だったためとうに絶版。まったく入手できないわけではないもののやたらと高額商品になっていて購入を躊躇。結果、こちらの現在進行形で販売中のアジア…にしてみた。 これからの時代はロングテールというやつで「… 続きを読む
book 12 5月 2008 暴力はどこからきたか / media:書籍 暴力とは何か、ひいては戦争や紛争とは何か。どうしてヒトはそれを起こすのか。 といった疑問について考えるためのヒントが、『暴力はどこからきたか』には、惜しみなく提供されている。 (さらに…)… 続きを読む